
ファジアーノ岡山は12日にアウェーでサンフレッチェ広島と戦う。
今回の対戦を前に「中国ダービー」と正式に命名された注目の一戦を前に、木山隆之監督(53)は「本当に充実した素晴らしい相手。そこから何とか勝ち点3を取れるように、全力で臨んでいきたい」と意気込んだ。
公式戦では初対戦となる隣県クラブとの試合には、責任を背負って戦う覚悟。指揮官は「広島がずっとトップレベルで戦ってきたが故に対戦したことがなかったが、我々がトップカテゴリーにいることでそのダービーができる。これから歴史になっていけるように自分たちは頑張る必要がある。チームとしての実績、クラブとしての成績で言えば断然向こうが上だけど、今は同じ土俵で戦っているので、ファンサポーターの思いもしっかり受けながら、全力を尽くす試合にしたい」と力強く語った。
今季の岡山は、ホームでは4勝2分けと無敗の強さを見せているが、アウェーでは3戦全敗と苦戦が続いている。木山監督はその差について「ホームではスタジアムの雰囲気を受けてメンタル的にもフィジカル的にも、自分たちのパワー、圧をすごく出せている。アウェーでも出せていないわけではないけど、あと一つ押し切れないところがある。浦和戦以外は勝負になっていたと思うけど、1ゴール差で負けた。もう少しのところを自分たちで詰めていく、上げていく必要はある」と話した。
前節の横浜F・マリノス戦では、MF田部井涼(25)のスーパーゴールで勝利したこともあり、指揮官は「シュート意欲をもっと上げていかなきゃいけない」とミドルレンジからも積極的に狙うことを推奨する。
この日のミーティングでは、85年トヨタカップで当時ユベントスの元フランス代表MFミシェル・プラティニが見せたシュート映像を共有。オフサイド判定で得点は認められなかったものの、胸トラップから右足で浮かせて相手をかわし、左足ボレーでゴールネットを揺らした伝説的ボレーを参考に、選手に投げかけた。
「本当に入れようと思って足を振っていくことで、相手が出てきたらかわしてコースを作って打つとか、そういうことが出てくる。もっともっと点を取る意欲をみんなで高めたい」。初の中国ダービーでは、シュート意識を強めた岡山がJ1アウェー初勝利を狙う。【永田淳】