
ソフトバンクが今季初の連勝を飾り、最下位から脱出した。
柳田悠岐外野手(36)が右太もも裏の張りで今季初の欠場。不動の3番がスタメンから外れる不穏な空気を、5番の正木智也外野手(25)が一掃した。0-0の1回2死一、三塁で先制&決勝の左前適時打。新たな打撃フォームに着手する若き5番が、柳田不在の危機を救う。
◇ ◇ ◇
正木はネクストバッタースボックスで燃えた。4番の山川が敬遠気味に歩かされる。悔しくないわけがない。
「5番に入っている身として燃えるものがありました」
でも、熱くなりすぎず。近藤の後を打っていた昨季の経験を生かした。「同じ準備をして入ることが大事。それは去年やっていて思ったので。今年も同じことを思っています」。心は熱くてもアプローチは変わらなかった。オリックス椋木の2球目ストレートをコンパクトにとらえ、きれいに三遊間に転がした。無死一、二塁で3番中村が併殺打に倒れていただけに、流れを引き寄せる一打。左前適時打は先制&決勝タイムリー。今季初連勝を呼び込み、最下位脱出に導いた。
不穏な空気を一掃した。この日は柳田が右太もも裏の張りで欠場した。柳田は不動の3番として打率3割2分3厘、2本塁打、6打点を記録。離脱中の近藤、栗原に続いて打線の柱を欠くなかで若き5番が先制パンチを見せた。「穴を埋めようとかはあまり考えてなかったです。それよりは、回ってきた状況に応じてちゃんと自分の仕事をしようという思いだけでやっていました」。正木は地に足をつけて打席に立っていた。
オープン戦ラストに小久保監督から苦言を呈されていた男が、開幕9試合を終えて打率2割9分、2本塁打、7打点。昨季よりもバットを大きく動かしながら構える新フォームで結果を出し続けている。「去年は固まりすぎてタイミングが取れなかったので。ちょっとバットを動かしながらタイミングを取ることをやっています」。世代交代を期待されて5番起用が続く。柳田のコンディションは気がかりだが、現有戦力で戦うしかない。好調を維持する正木が打線を支えていく。【只松憲】