
<女子国際親善試合:日本1-1コロンビア>◇6日◇ヨドコウ
女子日本代表「なでしこジャパン」(FIFAランキング5位)がコロンビア(同21位)と1-1で引き分けた。前半35分に失点し、ニルス・ニールセン監督(53)体制となって初めて先制点を許す展開となったが、後半追加タイムにFW起用されたDF高橋はな(25=三菱重工浦和)のPK弾で追い付いた。FWとDFをこなす二刀流が、新体制国内初陣での敗戦危機を救った。
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0-1のまま終わるかと思われた後半45+3分に、FWで出場したDF高橋がPKを決めてドローに持ち込んだ。
後半39分に交代出場。MF松窪のシュートでPKを獲得すると、ボールを求めて動き、セットしたボールを豪快にゴール中央へ蹴り込んだ。「(コースは)決めていた。こんなこと言ったらうまい系の選手みたいだけど、目線で(GKを)左に誘って決められた」。新体制初黒星を免れる一発を笑顔で振り返った。
所属する三菱重工浦和では、DF登録ながらFWとして起用され、今回の代表活動では「ほとんど後ろのポジションをやっていた」という高橋がFW起用を告げられたのは、交代直前だった。ニールセン監督から「どちらも準備して欲しい」と伝えられており、相手FWとDF両方の情報を頭にたたき込んで試合に臨み、結果を出した。
過去に男子代表のDF槙野智章が高い得点力から“DFW”と呼ばれたが、先発でどちらの位置もこなすとなると、元なでしこの宝田沙織(レスター)に次ぐレアケース。監督から「相手陣、自陣どちらのボックスでも非常に素晴らしい動きができる」と評価され、今後には「基本的にDFとして招集しているが、今後は何とも言えない」と含みを持たせるまでのアピールに成功。「自分の中での引き出しは本当に増えている」。充実感を覚える“DFW”が、なでしこの新たな武器になる。【永田淳】