
甲子園に、春夏連覇を誓った。横浜(神奈川)は31日、19年ぶり4度目のセンバツ優勝から一夜明け、紫紺の優勝旗を手に、大阪を後にした。
朝8時。朝食が終わると、村田浩明監督(38)は「夏へ向け、気持ちをリセットしよう」と、主将の阿部葉太外野手(3年)、奥村凌大内野手(3年)、小野舜友内野手(2年)に声をかけ、前日、決勝戦を戦った甲子園を訪れた。
ゆっくりと甲子園球場を一周歩いた。前日の42600人の大観衆と選手の熱戦に包まれた甲子園球場とは一転。柔らかな春の空気に包まれた甲子園は、シンと静まり返っていた。「もう1度戻ってこような」。4人で話をしながら、最後は素盞嗚神社でお参り。絵馬を書き、夏を祈願した。村田監督は「感謝の気持ちと、夏呼ばれるチームを目指します、と書きました」。阿部葉は「夏、また戻ってきます。3冠(明治神宮大会、センバツ優勝と選手権優勝)ができますように」と、思いを込めた。
阿部は、あらためて今大会を「全員野球での勝利」と話し、その象徴として投手陣を挙げた。「センターから投手陣を見ていて、秋は織田(翔希)、奥村(頼人)という2枚看板が注目されましたが、センバツでは山脇(悠陽)、片山(大輔)ら投手が全員登板して抑えてくれた。頼もしい投手陣でした」。昨秋、明治神宮大会が終わってから、目指した全員野球。それぞれ力をつけ、大舞台で力をひとつに、大きな力を生んだ。村田監督は「甲子園は、練習では身に着かないような、すばらしい経験ができる場所。本当に成長させていただいた」と感謝した。
夏へ、勝負は始まっている。「春は日本一で終われたんですが夏、勝ってこそ本物。秋春そして夏の3冠を目指したい」。春の甲子園に、別れを告げ、夏への思いを高めた。