
<日本ハム7-5西武>◇30日◇ベルーナドーム
プロ4年目、西武の黒田将矢投手(21)がプロ初登板を果たした。
出番は4点リードを許している8回表、しかも相手は日本ハム・レイエス、野村、万波…とリーグを代表する右打者たちが並ぶ。
マウンドへ向かう心境は「まじで覚えてないです」と言う。ただ「調子いいバッターが相手だったので、逆に思い切り投げられたというか」。初球、レイエスにいきなり150キロ。押し込んだファウルに。
「しっかり投げればすごいバッターでも押せるな、と思いました」
追い込んでからの被安打は「反省点です」としながら、この日2本塁打など6打点の4番野村からはフォークで空振りを奪い、最後もスライダーを振らせた。5番万波もフォークで空振りさせた。
その後6番石井に適時打を許したものの「フォークはしっかり上のバッターに通用したので、そこは良かったんじゃないかなと思います」としっかりとした収穫のある初登板になった。
ロッテ種市ら、投手育成に定評のある八戸工大一(青森)からプロ入りした。同期入団の羽田慎之介投手(21)菅井信也投手(21)とともに将来を嘱望されるトリオで知られる。
その羽田、菅井が昨季、ともに1軍で投げ、それぞれプロ初勝利も挙げた。
「本当は去年、(1軍で)投げたかったですね」
率直に明かす。
「焦りました。取り残されて、すごく悔しい思いをしたので。だから想像より少し遅れましたけど、ホッとしました」
すらっとした投手体形から、自らの帽子を吹き飛ばすほどのダイナミックなフォームで投げ込むスタイル。将来の先発投手候補として、球団の期待は大きい。そうなるために今は。
「今年は中継ぎでしっかり力をつけたいです。1試合1試合投げて、20試合30試合と投げていけるように頑張ります」
この日も投げた勢いで、帽子が1度、2度と吹っ飛んだ。「髪切りたいんですけど、予約取れなくて」。初の1軍、その座を守り抜くための猛練習。慌ただしくも、充実の時間を生きる。【金子真仁】