
<明治安田J1:京都1-0広島>◇29日◇第7節◇サンガS
京都サンガF.C.がGK太田岳志(34)の3度のビッグセーブでサンフレッチェ広島を下し、今季ホーム初勝利を挙げた。
前半途中から広島に押し込まれ、多くのクロスを入れられる展開となったが、京都は最後まで広島に得点を許さなかった。
後半4分にはFWヴァレール・ジェルマン(34)に抜け出されて1対1の場面を作られるも、太田が左足でセーブ。「慌てて飛び出すことをせず、いったん下がろうと判断できて、まず心に余裕が持てた。うまく言えないけど、あそこからジェルマン選手に決められる未来が想像できなかった。決められる気がしないっていう感覚があった」という言葉通りのビッグプレーで、チームを救った。
後半15分に1-0としてからは、さらに広島の猛攻を受けることになった。それでも同37分に広島FW前田直輝(30)に持ち込まれた場面では、DF鈴木義宜(32)との連係した守備でシュートを弾き出し、同44分のDF塩谷司(36)が合わせたシュートも冷静に対応。「前田選手のシュートは、ノリ(鈴木義)がカットインされないようにうまく対応してくれたので、2人で守ったシュートストップ。塩谷選手のシュートはGKがやられてはいけないところの範囲内に来た」と冷静に振り返った。
シュート数では6本対11本、CK数も1本対9本と広島に上回られながらも無失点に抑えての勝利に、太田は「僕が活躍しないのが一番いいけど、どの大会でもやっぱりいいチームにはいいGKがいる。上位に行くチームはGKが本当に素晴らしいという意味では、自分たちがそこに行くためには自分の活躍が必要不可欠。それを試合に出すために、日々練習に取り組んでいきたい」。昨季までのプロ11年間のうち、7シーズンでリーグ戦出場ゼロだった苦労人だが、今季は開幕から全7試合でフルタイム出場。ようやくJ1で守護神の座をつかんだ34歳が、ここからも京都の躍進を最後尾から支えていく。【永田淳】