
2025年のペナントレースがきょう28日、開幕する。就任4年目で初のリーグ優勝を狙う日本ハム新庄剛志監督(53)は27日、開幕戦を戦うベルーナドームで行われた前日会見に出席。自由奔放な“新庄劇場”を繰り広げ、対戦相手で初陣となる西武西口文也監督(52)を揺さぶった。昨季の「せこせこ野球」から進化した「スピード&パワー&勘ピューター野球」を羅針盤として、日本一への大航海に臨む。
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新庄監督がいきなり陽動作戦に出た。グラウンド上で行われた開幕前日会見。西武西口監督が右隣にいても、お構いなしだった。
新庄監督 明日、今井投手でなかなか点が取れないと思うのでスピードを生かしたスタメンを考えてる。スピードがある選手は打席で(かがんで)120センチくらいになってストライクゾーンを狭めて(四球を選んで)塁に出て(ほしい)。今井君の(フォームの)予備動作、2つくらいクセがある。塁に出たらバンバン走って、ヒットが出なくても点が取れる野球をしたい…と思いながら強力打線だったらビックリするよね? 楽しみにしといて。
笑みも交えながら開幕戦の展望を赤裸々に語った。さらに、たたみかけて「僕と同学年の鳥越コーチと仁志コーチが入った。ちょっと不気味」とけん制したり、お互いに相手チームを上回っているところを問われると「顔です」とボケて笑いを誘ったり。終始、主導権を握った会見後は西口監督も舌戦では「あかん、もう負けてるわ、ウチが」と苦笑い。“完勝”だった。
会見後にはあらためて西武への警戒心も示した。「本当にいいチームになっている。手ごわい」。注目するのは西武の新1、2番コンビ。「1年間ずっと長谷川君と西川君で行くとしても壁が出てくる。ベンチがどれぐらい辛抱できるか。この3年間、ウチもそうだった。2人ともオーラがあるんで楽しみ」。敵チームでも注目ポイントに言及するのは、プロ野球界をもっと盛り上げたいから。「やっぱ全体を良くしないといけないと僕は思うから」。もちろん日本ハムが球界の主役を担う自信もある。
新庄監督 今年は「せこせこ野球」はない。ドカンっていける打線も組めるし、スピードのある野球もできる。「スピード&パワー」で時には僕の“何しとんねん”っていう(勘ピューター)作戦で勝つときもある。それを組み合わせていかないと面白くないしね。
オープン戦を1位で終え、投打で充実の戦力を備えて臨む就任4年目。ファンを楽しませながら、頂点を「狙えます」。堂々と宣言し、満を持して船出する。【木下大輔】
◆開幕前日の日本ハム新庄監督VTR
▼22年 「遊び心を持って。小さい頃、日が暮れるまで楽しんで野球をやっていた気持ちで、大いに暴れてほしい。で、一番僕が遊ぶ。ベンチの中で」
▼23年 新球場元年の開幕セレモニー出演を問われ「出しゃばらない。出しゃばって欲しいのは選手だけ」とパフォーマンス封印宣言。
▼24年 記者会見に参加した子ども記者に「他に負けない強みは」と問われ「“せこせこ野球”。相手が防げない点の取り方をしてピッチャーが抑えて勝つ」。