
<ワールドカップ(W杯)北中米大会アジア最終予選:日本0-0サウジアラビア>◇25日◇C組◇第8戦◇埼玉
第2次森保ジャパンで初の無得点に終わったが、森保一監督(56)はW杯優勝のための「戦力アップ作戦」に確かな手応えを感じていた。
20日のバーレーン戦から先発6人変更も、守備陣は無失点に抑え、攻撃もシュート10本と終始主導権を握った。指揮官は「チャンスを決めきる部分、監督として次の手を打つプランB、プランCなど、今後、力つけなくてはいけない」と課題を挙げつつも「これだけ選手を変えてもギクシャクしたところはなかった。だれが出ても機能するところは示してくれた」と、選手に及第点を与えた。
26年のW杯北中米大会は参加国が48カ国に増え、優勝までに8試合ある。強豪国がひしめく舞台では試合の強度を含め心身の消耗が激しく、累積警告の出場停止のリスクもある。2チーム分の戦力を整えなければ厳しい道程に備えてきた。森保監督が指揮したW杯カタール大会は、ドイツに劇的勝利を収めた後の1次リーグ第2戦コスタリカ戦でメンバー5人を入れ替え0-1で敗戦していた。頂点に立つためにも、前回大会以上の選手層が必須だ。
森保監督は日本代表の現在地に「選手全員が万全な状態でプレーできれば、2期目ということで、各ポジションに2人ずつは世界で戦える選手層がある」と自信を口にする。今回はDF冨安、町田、FW小川らが負傷で招集外で「ケガやアクシデントがあるので、3チーム分、計算できる戦力をつくっていきたい」と、さらなる目標を掲げた。世界最速でW杯切符をつかみ、約1年3カ月の準備期間がある。世界の頂点へ「3チーム分」の戦力を蓄えるべく、森保ジャパンの挑戦は続く。【岩田千代巳】
〇…MF田中(2ボランチの一角で先発し精力的にプレー)「強い相手にあれだけピンチもなくゲームを進められたのはポジティブな点」