
<敗戦を越えて:山梨学院(山梨)菰田陽生投手兼内野手(2年)>
<センバツ高校野球:西日本短大付11-5山梨学院>◇24日◇2回戦
敗れはしたが、確かな手応えを得て山梨に戻る。山梨学院(山梨)の菰田陽生投手兼内野手(2年)が、投打二刀流の活躍で気を吐いた。打っては1安打2打点。6点ビハインドの5回から今大会初登板し、1死から西日本短大付の小川に投じた直球が2球続けて152キロを記録。球場全体をドッと沸かせた。
2年生では、横浜の織田と並びセンバツ歴代最速タイの快速球だ。大会前はMAX146キロだったが、大舞台で6キロも更新した。「今大会は150キロが目標でしたが、自分も楽しくなって、気持ちが上がり強く投げられました」。3イニングをパーフェクトで締め、全国の高校野球ファンに印象を残した。
194センチ、97キロの体格を巧みに操る姿から、名将も“ダイヤの原石”とうなる。清峰(長崎)時代を含め2度のセンバツ優勝を誇る吉田監督は「数多くの選手を見てきましたが、ポテンシャル的には今村猛(清峰-広島)に次ぐ2番目。身体的には菰田の方が上です」と期待値は高い。「必ず次の日本プロ野球界の宝になる存在」と言わしめ、大器の今後を長い目で見守る考えだ。
初の甲子園を終えて、菰田は「152キロは出ましたけど、ここがゴールではありません」ときっぱりと言った。目標は「高3の夏に160キロ」。野球を始めた小学生の頃から憧れるドジャース大谷翔平に近づくために、さらなる鍛錬に余念がない。【平山連】