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【センバツ】横浜13年ぶり8強 織田緊急降板のピンチ乗り越え「負けない力ついている」奥村頼


横浜が沖縄尚学を8-7で下し、新チーム発足から公式戦17連勝を達成し、13年ぶりの8強進出を果たしました。試合は初回から横浜が主将阿部葉太の3ランでリードを奪い、5点差まで広げましたが、沖縄尚学の反撃を受ける展開に。しかし、6人の投手を起用する総力戦で接戦を制しました。 村田浩明監督は綿密な継投策で相手の目先を変え、選手たちに「バトンを落とすな」と鼓舞。一方で選手たちは野球の強さを示し、「負けない力」を強調しています。前年の普及で、横浜は明治神宮大会に続く制覇へ自信を深めています。

横浜対沖縄尚学 沖縄尚学を下して駆けだす横浜ナイン(撮影・宮崎幸一)

横浜(神奈川)の黄金時代、再来だ! 投打につなぎの野球で沖縄尚学に8-7で競り勝ち、新チーム発足から公式戦負け無し17連勝で13年ぶりの8強進出を決めた。初回、主将の阿部葉太外野手(3年)の3ランで先制。一時は5点のリードも、沖縄尚学に追い上げられると、投手を延べ6人つぎ込む総力戦で逃げ切った。レジェンドOB松坂大輔投手を擁し、明治神宮大会、春夏の甲子園、国体(現国民スポーツ大会)を合わせた97、98年の「4冠」を再び。まずは明治神宮大会に続く2冠目へ、あと3勝だ。

   ◇   ◇   ◇

春の横浜は、負けない。初回、無死一、三塁。阿部が1ボールからの内角低め132キロ真っすぐを捉えた。ドジャース大谷を参考にしたノーステップ打法で高校通算6本目となる右中間への先制3ラン。3回にも1死二塁から左前適時打を放つなど、5点のリードで横浜ペースを感じさせた。

不運が流れを変えた。初戦の市和歌山戦で最速152キロを記録した先発の織田が指のアクシデントで3回途中で緊急降板。すると、沖縄尚学に一気に攻め立てられ、この回だけで4失点。昨秋から練習試合も含め初めて1イニング4失点を喫した。

ここからが春の横浜の真の強さだ。村田浩明監督(38)は「相性を見て」と、小刻みな継投で相手打者の目線を変えた。速球に振りまけずにミートする打線に対し、緩急を得意とする前田を2番手に起用。疲れが見え始めるや、すぐに山脇にスイッチ。6回2死からはエース奥村頼へ。8回に1点差に迫られ一死二、三塁となると、奥村頼が左翼にまわり片山が登板。三振と四球で満塁となると、再び奥村頼を送った。エースは「最後しっかりと自分にバトンが渡った時は、みんなの思いを背負って投げました」。力のこもった真っすぐで遊ゴロに打ち取り、同点を許さなかった。

試合前、村田監督は「今日はつないでいくぞ。バトンを落とすな。駅伝と同じだ。タスキを必ず次の走者に渡すんだ」と、選手たちを戦いの場に送り出した。打線はもちろん、投手陣もつなぎの野球。阿部葉は「今日は総力戦でした。全員野球で戦った。流れを渡しそうで渡さない。最後までやり切ることができた」と新たなチームの力に、自信をのぞかせた。

新チーム発足時、村田監督は選手たちに「もう、負けたくない」と話し、一からチーム作りをした。奥村頼は「負けない力がついている。球速が注目される世の中ですが、自分が一番目指しているのは負けない投手。今日その成果が出ました」と胸を張った。全員が紫紺の大旗だけを見つめる。今年の横浜は負けない。【保坂淑子】

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