
<高校野球春季静岡大会予選>◇23日◇1回戦16試合、代表決定戦10試合◇静岡・掛川球場ほか
昨夏甲子園出場の掛川西が8-0の7回コールドで池新田に快勝し、県大会出場を決めた。古岡都暉(とき)投手(2年)が2番手で登板し、2回完全投球を披露。夏の甲子園準優勝投手の基紀さんを父に持つ。3投手による完封リレーに貢献した。
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全開で飛ばした。掛川西の古岡は、6-0の5回に2番手でマウンドへ。今大会初登板に「1球目から全力をぶつけよう」と気合を入れた。先頭をオール直球で空振り三振。その後も、真っすぐ中心の投球で強気に押した。2回を投げ、無安打無四死球3奪三振。1人の走者も許さなかった。
前日22日には、センバツ1回戦の常葉大菊川(静岡)対聖光学院(福島)をテレビで観戦した。「中学時代によく戦っていた同学年の選手もベンチ入りしていた。自分も負けたくないと思った」。ライバルから受けた刺激も力に変え、完封リレーの流れを加速させた。
177センチの右腕は、昨秋県決勝の常葉大菊川戦で公式戦初登板。1回途中から救援し、2回1/3 3失点で降板した。ほろ苦デビューを糧に冬は下半身を強化。入学時に60キロ弱だった体重は69キロまで増えた。この日が同試合以来の登板。「今日は武器の直球で空振りやファウルが取れた。良かった」とうなずいた。
父基紀さん(44)は、京都成章のエース左腕として98年夏の甲子園で準優勝。横浜との決勝では、ノーヒットノーランを達成して伝説となった松坂大輔氏と投げ合った。卒業後も中大を経て社会人野球ヤマハで活躍。昨夏出場した甲子園では、そんな父が躍動した聖地をスタンドから見つめた。
古岡は「自分も甲子園で父のような投球を見せたい。この春で経験を積み、もっと体もつくって、夏にはどんな時でもマウンドに立てるようにしたい」と目を輝かせた。県切符獲得は通過点。偉大な背中を追い、成長を続けていく。【前田和哉】