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【センバツ】横浜青陵8点差大敗 野原監督「自滅だった」10秒余りの沈黙の後に言葉絞り出す


センバツ高校野球で初の甲子園出場を果たした横浜青陵は、広島商に10-2で敗れた。横浜青陵の野原慎太郎監督は試合後、自分の指導力の不足を反省し、「選手やチームを持ち直す術を持っていなかった」と語った。選手たちは自主性を重んじる「自治」を推進し、練習メニューの作成やチーム強化に努めてきた。監督自身が考案したこのアプローチは、彼が感銘を受けた野球漫画『キャプテン』からヒントを得ている。試合には東海大相模時代の恩師・門馬敬治氏からの助言を受けたが、望む結果には至らなかった。今回の経験を糧に次のステップを目指すことを誓った。試合には約1200人の生徒が応援に駆けつけたが、21世紀枠での甲子園初戦突破は叶わなかった。

横浜青陵対広島商 横浜青陵・野原監督(右)と話す山本主将(撮影・上田博志)

<センバツ高校野球:広島商10-2横浜清陵>◇21日◇1回戦

<敗戦を越えて:横浜清陵・野原慎太郎監督(42)>

21世紀枠として甲子園初出場&初勝利を狙った横浜青陵だったが、神宮大会準優勝の広島商に8点差負けと大敗した。試合後、取材エリアでの表情は硬かった。最初の質問に答えるまで10秒余りの沈黙が流れ「選手を…。チームを持ち直す術を持ってなかった自分の責任を強く感じています」と言葉を絞り出した。三塁側アルプススタンドに生徒ら約1200人が駆け付けたが、勝利ならず意気消沈した。

昨夏に左肘を痛め外野手に専念していた小原に初戦を託したが、古豪には通用しなかった。2番手西田と合わせて5回まで毎回の10四死球。指揮官自ら「自滅だった」と完敗を認めた。

学校を挙げて取り組む「自治」が評価を受け、21世紀枠で甲子園出場をつかんだ。部員たちで練習メニューを練ってチームを強化。野原監督自身が部活動のあり方を模索するうちに行き着いたというが、原点は幼い頃にある。ちばあきおの野球漫画「キャプテン」だ。顧問や監督不在の中で甲子園を目指す姿に感銘を受けた経験が「自治」を推進する原動力だ。

試合前に東海大相模(神奈川)時代の恩師・門馬敬治氏に「らしくプレーを」と助言を受けたが、恩師の言葉とは裏腹な結果に。受け止めるには時間がかかりそうだが「とんでもない経験をさせてもらったのは間違いない。これを機に次のステップに入らないと。それが出させてもらった使命」と前を向く。【平山連】

 三塁側スタンドには、東海大相模OBで、野原監督とともに00年センバツ優勝を達成したメンバーが応援に駆けつけ声援を送った。当時の主将、菊地一也さん(42)は「結果は残念ですが、僕らの代で甲子園に出場する監督が出てくれてうれしい」。試合中は、1球1球に声が出た。「めちゃくちゃ緊張しました。次は甲子園1勝を期待したい」。旧友の晴れ舞台に心のこもった拍手をおくった。

◆21世紀枠姿消す 21世紀枠の横浜清陵が初戦敗退。21世紀枠同士の対戦を除くと、同枠は初戦で23連敗。一般選考枠との対戦は通算26連敗。

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