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【センバツ】壱岐、4000人の島民駆けつけ応援 敗戦も“島っ子球児”が大きな財産残す


壱岐高校の野球部は、東洋大姫路に逆転負けを喫しましたが、約4000人の地元住民が応援に駆けつけ、選手たちを称賛しました。壱岐は離島のハンディを越えて、21世紀枠で甲子園出場を果たした県立校であり、「島でもやれる」というメッセージを伝えました。この結果は少子高齢化が進む島に希望を与え、壱岐の明るい未来を築く一助となりました。壱岐は過去に隠岐や佐渡などと並び、21世紀枠としての出場校で初戦敗退となり、21世紀枠の連敗記録が22に伸びました。

東洋大姫路対壱岐 壱岐エースで主将の浦上(左)は東洋大姫路に敗れ涙を流す。左から2人目は日高(撮影・上山淳一)

<敗戦を越えて:壱岐・浦上脩吾主将(3年)>

東洋大姫路に逆転負けした壱岐ナインが、一塁側のアルプス席にお礼のあいさつに向かった。「よくやったぞ~っ!」。約4000人の島民が駆けつけていた。選手らをねぎらう声が飛び交い、しばらく拍手が鳴りやまない。生徒らは19日夕に船で福岡に移動し、バス9台でやって来た。「見たことない光景で…。自分たちをこれだけ応援してくれているんだと思ったら」。そのシーンを焼きつけ、胸いっぱいに夢舞台を後にした。

人口は約2万4000人。昨秋の九州大会で8強入りし、玄界灘に浮かぶ離島から21世紀枠で聖地にたどり着いた。長崎も私学優勢の中、県立校が成し遂げた快挙は「100年に1度の奇跡」と島中に感動をもたらした。部員21人が島内の中学軟式野球部出身。例年は島外へ進学するケースも多いが、現3年生たちは「壱岐から甲子園に」を合言葉に結集した世代だった。遠征などの地理的ハンディも乗り越え、3年前に誓い合った夢を一丸で現実にし、甲子園でもV候補相手に堂々の戦いを見せた。

敗れても島に勇気、希望を与えた。24年の出生数は100人程度で少子高齢化が進み、若年層の流出も課題となっている。それだけに「島でもやれるってことを示したくて」。使命感を胸に、全力プレーを貫いた。壱岐の明るい未来へ、“島っ子球児”が大きな財産を残した。【佐藤究】

◆島からの甲子園 沖縄本島を除き、島からの甲子園出場は壱岐で9校目。このうち21世紀枠として出た学校は03年隠岐、11年佐渡、12年洲本、14年大島、16年小豆島に次ぎ6校とも初戦敗退(洲本は53年春に優勝経験あり)。

◆21世紀枠22連敗 21世紀枠の壱岐が初戦敗退。21世紀枠同士の対戦を除くと、これで同枠は初戦22連敗となった。

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