
<センバツ高校野球:東洋大姫路7-2壱岐>◇20日◇1回戦
優勝候補の東洋大姫路が11年夏以来、14年ぶりに甲子園で勝利を挙げた。履正社を19年夏に日本一に導いた岡田龍生監督(63)が母校を率いて3年目で初の甲子園。選手だった高3夏の79年以来の甲子園で歌う校歌に喜びもひとしおだった。
「初出場のような気持ちで感無量。恩師の大久保部長、田中副部長、梅谷監督もみなさんおられない。意思を引き継いでやってきた。何とか勝って校歌をという気持ちを持っていたので本当に良かった。3人の恩師にもいい報告ができるかなと思います」
昨秋は右肘故障でベンチ外だった右腕の木下鷹大(ようた)投手(3年)が救った。エース阪下漣投手(3年)が右肘違和感を訴えて初回で降板。「しっかり抑えることで流れが向くと思った。1球1球気持ちを込めて投げました」と2回から登板して快投。自己最速の147キロをマークするなど直球で押して8回2安打無失点。バットでも1-2の5回先頭で三塁打を放ち、一挙5得点の逆転劇を呼んだ。
21世紀枠の壱岐に2点先行されながら、12安打7得点で鮮やかな逆転勝ち。好救援の木下も「一戦必勝で目の前の勝利を逃さずに取っていって、結果的に優勝できたら」と思い描いた。地元・兵庫の名門校が14年ぶり甲子園星で満員の甲子園を沸かせた。【林亮佑】