
ソフトバンクは18日の中日戦(みずほペイペイドーム)からレギュラーシーズン前最後の1週間を迎える。リーグ2連覇に向けてチームが準備を進める中、周東佑京内野手(29)は同戦から昨年11月の左膝手術以降初のフル出場を予定している。オープン戦は9試合に出場し、打率3割5分、4盗塁と好調を維持。リードオフマンがいよいよ完全復活のフェーズを迎えた。
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ほふく前進のようにゆっくり復活ロードを歩んできた周東が、本格的な開幕モードに入る。18日の本拠地中日戦から今季初のフル出場を予定。「そのつもりでリハビリの予定を組んでいました。予定通りです」。周東は「待っていました」といわんばかりに気合を入れた。
昨年11月、以前から痛みがあった左膝を手術した。懸命なリハビリの成果で、今月4日のヤクルト戦で今季初実戦。まだ1度も9回まで出場しておらず、いよいよ制限なくグラウンドに立つことが決まった。「順調に来られているのかなと思っています」。28日の開幕戦まで、オープン戦はラストウイークで計5試合。タカのリードオフマンが「1番中堅」として、打って、守って、走り、首脳陣を安心させる。
オープン戦は20打数7安打、打率3割5分と好調維持。15日の日本ハム戦では3打数3安打2盗塁と躍動し、和田毅球団統括本部付アドバイザー(44)の引退試合に花を添えた。本来は7回まで出場予定も、小久保監督が「予定より動きすぎたので」と6回で交代させたほど。周東は「そういう配慮をしていただいたのでありがたかったです」と感謝し、フル出場の日程に向けて状態を万全に整えた。
進化も目指す。試合前のフリー打撃では、1日ごとに打球方向を明確に意識して打ち分けている。16日までの日本ハム戦3連戦では、1戦目、2戦目は左方向、3戦目は右方向を意識してバットを振り込んだ。「キャンプから常に強く振る、強い打球を目指して振り込んできた」。オープン戦の7安打のうち2安打は左翼、4安打は右翼(残り1本は内野安打)。サンプルは少なくとも、成果は数字にも表れてきた。「状態は普通ですよ。よくもなく悪くもなくって感じです」。選手会長の完全復活はいよいよ最終局面。残り5試合で開幕は100%に仕上げていく。【只松憲】
<周東の手術後の経過>
◆手術 24年11月9日、都内の病院で左膝を手術。復帰まで4カ月程度の見込みと球団が発表。
◆専念 同10月31日~11月15日の秋季キャンプは参加せず、リハビリに専念。
◆許可 年明けの25年1月9日に都内の病院を受診し、制限のない通常練習をする許可を得る。
◆冷却 同1月14日、今宮の実兄が住職を務める大分市内の「不動尊霊山 一心寺」で寒行に参加。極寒のなかで体を清め「いいアイシングになりました」と冗談交じりに笑顔。
◆宣言 2月の春季キャンプは独自調整が認められた「S組」でリハビリに専念。同24日の手締めあいさつで「100(%)で動いても痛みは出ていない」と復活を宣言した。
◆復帰 今月4日のヤクルト戦で今季初実戦。「1番中堅」で先発出場し、2打数1安打。
◆暗雲 同9日の敵地ロッテ戦でアクシデントにより途中交代。2回の中堅守備で、安田の飛球を追う際に左翼の正木と交錯した。幸いにも左膝は無事で、腹部あたりを強打。大事には至らなかった。