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「伝統校のエース」早実・中村心大2回1安打1失点「2週間で出力上げる」センバツへ焦りなし


早実(東京)のエースで主将の中村心大投手は、東京都市大塩尻(長野)との練習試合で2回を投げ1安打1失点と振るわないスタートだった。しかし、「伝統校のエース」としてその後しっかりと立て直し、チームを勝利に導いた。中村は昨秋の肩の故障から回復し、本格的な投球を再開したのは2月中旬という、さらなる活躍が期待されている。今回対戦する高松商とは、早実が1924年第1回センバツ大会決勝で対戦した由緒ある相手であり、中村はこの試合に向けて「伝統を受け継いでいかなければ」と意気込んでいる。監督も彼への信頼を示し、今後の調整に期待を寄せている。

東京都市大塩尻-早実 2回を投げ安打無失点に抑えた、先発の早実のエース、中村(撮影・保坂淑子)

伝統を受け継ぐ思いを白球に込めた。

センバツに出場する早実(東京)が9日、今年初の練習試合を同校グラウンドで行い、東京都市大塩尻(長野)に10安打5得点で勝利した。

エースで主将の中村心大(こうだい)投手(3年)は「3番投手」で先発。初回、先頭に四球を許し、盗塁と犠打で1死三塁とされ、右前適時打を浴び1失点。「いいところがなかった」と振り返るも、どんな状態でもチームを勝たせるのが「伝統校のエース」。高めの真っすぐなどで空振りを奪い、後続を凡打で仕留めた。2回を1安打1失点にまとめ、後ろにつなげた。

一番の収穫はマウンドに立てたことだ。昨秋の大会後、左肩を痛め本格的に投球を始めたのは2月中旬。今月はテストに関係各所へ表敬訪問、6日の抽選会と多忙な日々を送る。和泉実監督(63)も「あまり練習ができていない。これから上げていくでしょう」と、エースへの信頼は高い。中村も「約2週間で出力を上げていく」と焦りはない。

初戦は大会5日目(22日)第1試合で高松商(香川)との対戦が決まった。同校とは1924年第1回大会決勝、翌年夏の大会決勝でも対戦。「伝統を受け継いでいかなければ。対戦できることを意気に感じ、全力で楽しみたい」と中村。胸を躍らせながら調整を続けていく。【保坂淑子】

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