
第97回選抜高校野球大会が、3月18日に甲子園球場で開幕する。日刊スポーツ高校野球取材班が注目する、全国の有望選手を紹介する。
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【早実(東京) 中村心大(なかむら・こうだい)投手(3年)177センチ、87キロ、左投げ左打ち】
早実の中村が甲子園に帰ってくる。「チームの目標は本当に日本一。センバツで必ず達成できるように頑張りたいと思います」と、胸を張る。昨夏からエースナンバーを背負い、140キロ台の力強い真っすぐを軸に、変化球で緩急をつけ打者を抑え込む。
投球はもちろん、一番の強みは、昨夏の甲子園での経験だ。3試合に登板。2回戦の鶴岡東(山形)戦では延長10回を投げ抜き完封勝利した。夏の甲子園後には「左バッターからカウントを取るため。右バッターはストレート以外に勝負球がなかった」と、新球のチェンジアップに挑戦。縦の変化を武器に加え、投球の幅を広げた。秋の大会後にはキャッチボールから意識を高め制球力と球威を磨いた。暇さえあれば、動画でいろいろな投手のフォームを研究。「力感ないフォームで質のいい真っすぐを制球できる」と、成長した姿を見せる。
新チームからは人生初の主将に就任。「あまり口に出して言うタイプではないので」と、今冬は誰よりも多い練習量でチームを引っ張った。夏、果たせなかった全国制覇へ。エース、そして主将として。王貞治氏(現ソフトバンク球団会長)を擁した57年以来68年ぶりのセンバツ優勝を狙う。