
第97回選抜高校野球大会が、3月18日に甲子園球場で開幕する。日刊スポーツ高校野球取材班が注目する、全国の有望選手を紹介する。
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【天理(奈良) 赤埴幸輝(あかはに・こうき)内野手(3年)181センチ、74キロ、右投げ左打ち】
プロ注目の遊撃手が、攻守で存在感を発揮する。
全国大会常連の天理大を6連覇を含む11度のリーグ優勝に導き、24年に母校の指揮官に就任した藤原忠理監督(59)が「このチームは、彼次第です」と一目置く存在だ。近畿4強の秋は1番打者で打率4割8分4厘でチームトップの安打数をマーク。守りは「1歩目の速さ」を心がけてノックに入る。チーム内では、永末峻也外野手(3年)とともにダブル主将制で、全体の場での報告や共有は永末が担当し、赤埴がゲームキャプテンを務める。
父智博さんは、88年のセンバツ、2歳上の兄で大商大へ進学した克樹さんは2年夏に甲子園に出場した。幸輝内野手の入学直後は克樹さんが在籍。兄の最後の夏には、兄弟そろってベンチ入り。聖地を夢見てともに戦ったが、奈良県大会準決勝敗退だった。「兄の分も甲子園に出ようと、(思いを)受け継いだ」と幸輝。兄同様、親子2代で「天理」のユニホームをまとい、夢の舞台でプレーする。