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【グレンデール(米アリゾナ州)16日(日本時間17日)=四竈衛】メジャー2年目を迎えるドジャース山本由伸投手(26)が、20日(同21日)のオープン戦初戦(対カブス)でも「開幕投手」を務めることが濃厚となった。3月18日に日本で開幕する公式戦の開幕投手に指名された山本は、14日のフリー打撃も1番手として登板。ド軍投手陣で最も快調なペースで仕上がっており、実戦の初戦でも先陣役を担うことになりそうだ。
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ワールドシリーズ連覇を目指すド軍は、オープン戦の「開幕投手」も山本が最有力となった。メジャー2年目の今季、投手陣の軸として期待される。同地で行われる20日のカブス戦は、メジャー全体でもオープン戦の初戦。3月18日に日本で行われる公式戦開幕戦も唯一の試合で、その両方で山本が開幕投手を務める「快挙」が実現しそうな流れとなってきた。
現時点では、正式決定ではないものの、山本はオープン戦初戦の登板に前向きな姿勢を持ち続けてきた。14日に先陣を切ってフリー打撃に登板した際は、のべ打者5人に対し、無安打4奪三振の快投を演じた。球速も最速95マイル(約153キロ)をマークするなど、順調な仕上がりを披露した。プライアー投手コーチによると、ブルペン投球を挟み、その後は「オープン戦または再度のフリー打撃登板」の2択となっていた。
キャンプ序盤とはいえ、快調なペースで仕上がってきた山本にすれば、早くも実戦での調整がより重要な時期に入ってきた。というのも、日本で開幕戦を迎えるド軍のオープン戦は、3月11日までダブルヘッダーを含めても20試合しか組まれていない。たとえ20日の初戦で投げたとしても、登板機会は最大でわずか4試合。同僚相手のフリー打撃登板では、さほど緊張感もなく、厳しい内角攻めも遠慮気味になりかねない。山本は「試合の入り方とかをやっておきたい」と、他球団との対戦を希望しており、オープン戦とはいえ、満員の観客が予想される「開幕戦」での登板が実現することが濃厚となった。
対戦相手のカブスとは日本でも対決するため、首脳陣の意向次第では手の内を隠す可能性が残されているものの、すでに昨季も対戦済み。カ軍にとっては遠征となるため、一部の主軸だけが出場する見込みで、さほど問題視する必要もない。山本は17日(同18日)にブルペン入りし、実戦前の最終チェック。あとは打者の反応や実戦感覚を取り戻す段階へ入った。ド軍の「新エース」として自覚十分の山本に、迷いやためらいは見当たらない。