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演歌歌手梅谷心愛(17)が20日、都内で、日本作詩家協会主催のシンポジウム「昭和歌謡を歌い継ぐ-美空ひばり」に参加した。
ひばりさんのヒット曲「真赤な太陽」「人生一路」などを歌唱し、ひばりさんの長男で「ひばりプロダクション」社長の加藤和也氏(53)、日本作詩家協会会長の石原信一氏(76)と大好きな“ひばりさんトーク”に花を咲かせた。
ひばりさんが「悲しい酒」を歌う際に、涙を流しながらでも、なぜ音程をぶらさずに歌えたのか。
梅谷は「私は泣いたらぶれます」と明言。加藤社長は「おそらく、歌いながら悲しいことを思い出して泣いた。でも涙の理由はその時々で変わっていたと思う。感情に引っ張られて泣くけど『ちゃんと歌わないと』と冷めている自分もいた。実は泣かずに歌った『悲しい酒』もあるんです。聞いていて『あっ、今日は泣かないんだ』と思ったこともある。テクニックとは別のところなんですよね」と説明した。
ひばりさんが英語曲を歌う際の発音はネーティブに近い一方、日常会話の発音はジャパニーズイングリッシュだった。
加藤氏は「ある人が米国でおふくろの歌った洋楽をアメリカ人のジャズマンに聴かせたんです。すると『あー、南部の子ね』と言われた。イントネーションに南部なまりがあったから。それほどおふくろは耳が良かった。歌っていた人に南部なまりがあるとそうなっちゃうんです。でも英語はまったく話せなかった。絶望的でした」と明かした。
シンポジウムを終えて、石原氏は「足かけ10年で実現したイベントでした。あらためて『美空ひばり』は永遠に次の時代に残さないといけない方だと強く思いました」と感想を語った。 梅谷は「ひばりさんの衣装の前で歌唱をして、緊張感はありつつも、背中を押していただいているような気持ちでした。おこがましいですけど、一緒にステージに立っているようでした。『美空ひばり博士』としてもうれしいです」。
加藤氏は梅谷について「最初に見た時はぶっ飛びました。年齢のギャップがあっても、私が考察していないようなところまで知っている。(ひばりさんを)大好きで、ここまで歌手として認めてくれて歌ってくれる」と感謝した。梅谷は「私は好き勝手にしているだけ。(ほめられて)はずかしい。今日は美空ひばりさんはもちろん、(本名の)加藤和枝さんの話を聞くことができてうれしかった」と笑顔でイベントを振り返った。