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ソフトバンク広瀬隆太内野手(23)が14日、初めて日本代表入りを果たした。侍ジャパンの井端弘和監督(49)が都内で会見し、オランダ代表と対戦する「ラグザス侍ジャパンシリーズ2025」(3月5、同6日・京セラドーム大阪)に出場する28選手を発表。ホークスからは大卒2年目の大砲候補広瀬のほか、杉山一樹投手(27)、大津亮介投手(26)、海野隆司捕手(27)の4選手が選出された。
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プロ初の侍ジャパンに、広瀬が目を輝かせた。「選出していただいたことに、驚きが大きかったです」。大卒2年目。まだレギュラーにも定着しておらず、チームの宮崎春季キャンプB組(2軍)で鍛錬中。それでも異例の抜てきを受けるほど、井端監督は待望していた。「責任と誇りを持って頑張っていきたいと思います」。3月5、6日のオランダとの強化試合で、選んでくれた指揮官に恩返しする強い覚悟を明かした。
ルーキーイヤーの昨季は35試合に出場。打率2割3分3厘、2本塁打、9打点。満足いく成績ではなかった。一方で慶大時代の東京6大学リーグでは、早大・岡田彰布(元阪神監督)に並ぶ歴代4位の通算20本塁打をマーク。大学時代からその打棒にホレ込んでいた井端監督は「ポテンシャルが高い選手。内野で右打者で大きいのを打てるのは(DeNA)牧選手とかぶる」と評価。球界を代表する強打者と重ね、能力の高さを買った。メインの二塁に加え、一塁、三塁も守れるユーティリティーさも大きな特長。井端監督は「起用法で幅が広がる。楽しみ」と起用をイメージしている。
今季1軍で大活躍するきっかけにする。今回の侍ジャパンのメンバーは若手中心だが、阪神大山、佐藤輝、日本ハム万波ら力ある選手も名を連ねた。広瀬は「選出していただいたからにはたくさんのことを吸収し、成長できる期間にしたい」と貪欲だ。他球団の一流選手らとの触れ合いは勉強になり、刺激にもなる。
今回は来年3月開催予定の第6回WBCを見据え、新戦力発掘に重点を置いた人選でもあった。「出場する機会をいただいた時には、とにかく思い切って自分のプレーができるように準備していきたいです」。まずは春季キャンプでアピールを続けてA組に昇格し、強化試合でも存在感を放つ。シーズンで定位置確保、大活躍となれば、来春のWBCでの侍ジャパン入りも夢ではない。【佐藤究】
◆広瀬隆太(ひろせ・りゅうた)2001年(平13)4月7日、東京都生まれ。幼稚舎(小学校)から大学まで慶応に通う生粋の慶応ボーイで、23年ドラフト3位で入団。東京6大学リーグでは歴代4位タイの20本塁打を放った。日本代表は大学3年時の22年に「第30回ハーレムベースボールウイーク2022」に選出されて以来。今季推定年俸は1400万円。181センチ、88キロ。右投げ右打ち。
○…杉山が野球人生初の日本代表入りを果たした。昨季は50試合登板で4勝0敗、14ホールド、1セーブ、防御率1・61をマーク。最速160キロ直球を武器に、落差のあるフォークでキャリアハイの成績を残した。プロ7年目での侍ジャパン入りに「期待に応えられるように。代表という自覚と責任を持って、結果を求めて頑張っていきます」と力を込めた。
▽ソフトバンク大津 自分がどこまで通用するか、自信を持って自分の投球ができるように。結果を求めて、与えられた役割を果たせるように頑張ります。
▽ソフトバンク海野 入団してから、日の丸を背負う日がくることは想像もしていませんでした。日本代表として強い責任感を持って、堂々とプレーできるように頑張っていきます。