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J1アルビレックス新潟が今季開幕の15日アウェー横浜戦(日産ス)に向け、第3次キャンプ地の高知で調整を進めている。J1柏から完全移籍で加入したMF落合陸(25)は、チームの2年連続「開幕白星発進」貢献へ気合十分。体をぶつけられてもブレないフィットネスと高い技術を武器に、ゴールに直結するプレーを繰り返す。
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新シーズン開幕を告げるホイッスルが鳴った瞬間から、落合が迷わず、ゴールに襲いかかる。1月中旬に宮崎でスタートしたキャンプも、高知で最終盤を迎えた。チームの得点力向上へ期待が懸かるアタッカーは「相手ゴール前で違いをつくりたい」。J1で暴れ回るイメージを膨らませる。
トップ下とFWを主戦場に、多彩なゴールパターンを見せる。左右どちらでも放つ強烈ミドルが魅力で、さらに今季は「ワンタッチゴールを増やしたい」と燃える。元日本代表で昨季引退した前浦和FW興梠慎三氏(38)や鹿島FW鈴木優磨(28)を参考に、ペナルティーエリアでフリーになる動きを研究。ここまでの練習試合ではクロスにヘディングで合わせるなどプレーの幅を広げており、ゴール量産の予感を漂わせる。
柏U-18に所属した高校3年時、別のJクラブからオファーがあったが、破談した上に大学進学の時期も逃した。18年は関東リーグ1部のVONDS市原でプレー。けがやモチベーションの低下で「苦しい時期だった」と振り返るが、清水などで監督を務めたゼムノビッチ氏(70)の指導や、川崎Fで活躍したFWレナチーニョ(37)らに刺激を受け、プレーする楽しさを再確認する時間となった。
翌19年に入学した東京国際大では4年間、ボランチも経験。「自分の頭の上をボールが通り過ぎるサッカーだったけど、順応できたし、強くなれた」。卓越したテクニックに当たり負けしない体と守備力を加え、柏の内定をつかみ取った。
その柏には23年から1年間、在籍したものの4試合無得点と力を発揮できなかった。しかし、輝く時を待ち、前向きに練習に取り組み続けた努力は昨季、花開く。期限付き移籍先の水戸で31試合5得点。居残り練習では、同じ水戸でコーチとして攻撃面を担当していた樹森大介新監督(47)の下、シュート力を磨いた。
「柏で活躍できなかった悔しさが残っている。新潟では主軸として勝利に貢献したい。2桁ゴールを狙いたい」
遠回りしながら再びたどり着いたJ1の舞台で、存在価値を示していく。【小林忠】
◆落合陸(おちあい・りく)1999年(平11)5月23日生まれ、埼玉県川口市出身。柏U-12、15、18では全て背番号10を経験。VONDS市原を経て進学した東京国際大では3年時に全日本大学選抜。23年に柏入り。昨季は水戸所属。J1通算4試合無得点。J2通算31試合5得点。利き足は右。175センチ、72キロ。