二刀流挑戦を力強く宣言した。楽天辰己涼介外野手(28)が24日、仙台市内の球団事務所で契約更改に臨んだ。今季年俸は非公表ながら昨季の8000万円から大幅昇給は確実で、1億円の大台を突破したとみられる。昨年、最多安打、ゴールデングラブ賞、ベストナインに輝いた実力者が今季掲げた目標はまさかの「25勝0敗」。将来的なメジャー挑戦、今季中に取得予定の国内フリーエージェント(FA)権について、この日は多くを語らなかった。
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辰己らしさ全開の会見となった。用意された色紙に迷うことなくペンを走らせた。今季の目標として記した文字は「25勝0敗」。衝撃の投手挑戦プランをぶち上げた。「(自主トレで)1カ月間、みっちり投げ込んできた。マジで投げたい。冗談で言ってるんじゃなくて『二刀流させてもらいたい』と三木さんには話したいと思ってる。先発やったら、この目標っすかね。でも中継ぎが一番妥当かな」と真顔で話した。
13年には巨人へ移籍した田中将大が24勝0敗の圧倒的な成績を残し、球団初のリーグ優勝に導いた。それについて質問されると「あ、そうなんすか。知らなかった」。本格派だった当時の背番号18と対照的に「意外と変化球ピッチャーなんで、投げるからには絶対抑えたい」。早くもマウンドに上がるイメージを膨らませている。
昨年の契約更改では「生まれた時から」とメジャーへの憧れを隠さなかった。「未来のことは特に考えてない。ひとまず今年はマジで優勝したい」。また、今季中に国内FA権取得見込みだが「サプライズがあるかもしらんし。言えないです」と、けむに巻いた。
今季年俸は非公表とした。「家庭の事情で答えられない。マジで。すみません」。査定担当の佐々木部長は「球団の歴史においても生え抜き野手でトップかもしれない。最大限の評価をさせていただきました」。大幅昇給で大台の1億円を突破したとみられる。
野手としての目標を問われても辰己節を貫いた。「二刀流でチームの優勝に貢献する。ただそれだけですね。投手の防御率も良くなかったので、去年は。空いてるピースは全部、僕が埋めたい」。果たして投手挑戦はあるのか。球界屈指のエンターテイナーから目が離せない。【山田愛斗】