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【高校サッカー】夏で20人以上引退…進学校松山北唯一の3年生・森隼人が決勝PK決め16強


松山北(愛媛)は全国高校サッカー選手権2回戦で龍谷富山を1-0で下し、見事3回戦への進出を果たしました。試合は後半26分、松山北がFW大西然の獲得したPKを3年生MF森隼人が決め、劇的な勝利を収めました。森はすでに同志社大学への推薦が内定しており、小中高と全国大会を経験しています。2回戦勝利は歴史的で、松山北としては8大会ぶりの勝ち越しとなり、愛媛県勢としても南宇和以来32年ぶりの快挙です。次は1月2日に堀越(東京A)と対戦予定。兵頭龍哉監督と森は共にチームをリードし続け、さらなる進撃を目指します。

松山北対龍谷富山 後半、PKを決め、ベンチに駆け寄り松山北・森(左端)ら(撮影・菅敏)

<全国高校サッカー選手権:松山北1-0龍谷富山>◇31日◇2回戦◇味フィ西

8大会ぶり6回目の松山北(愛媛)が、大会初勝利を挙げた1回戦で満足などせず、越年達成となる2勝目をつかんだ。同じく初勝利を初戦で手にしていた、全国初出場の龍谷富山と対戦。0-0で迎えた後半26分に、FW大西然(2年)が獲得したPKを、唯一の3年生MF森隼人が右足でど真ん中に蹴り込んだ。

進学校のため、夏で20人強の3年生が引退。既に推薦で同志社大(同大)進学が内定しており、さらには夢の小中高「全国」のため1人だけ残った森が、決めた。

J2愛媛FCの下部組織U-15など小中で全国を経験し、高校でも最後の冬に懸けてきた。「(来年1月18、19日の大学入学)共通テストに向けて勉強しながら、横断幕や個別にメッセージをくれた、引退した3年生たち、PKを取ってくれた然たち2年生や1年生の思いを背負って、自信を持って蹴りました」。外すわけにはいかなかった。

兵頭龍哉監督(63)も「愛媛県にいるみんなの力、OBの力、全部ここに入りました」と感謝。自身が初めて選手権で指揮した09年度。松山北を、実に46年ぶりの出場に導いた大会で、この西が丘で国学院久我山(東京B)に1-7で敗れていただけに「あの時のスコアは1-7と書いてあって、今日は1-0でした」と感慨深げだった。

県勢としても92年度の南宇和によるベスト8以来32大会ぶりの3回戦進出。県勢の2勝も、当時や平成元年(89年)に優勝まで上り詰めている南宇和と、済美だけ。松山北が3校目の景色を見た。

年明け1月2日の3回戦は、堀越(東京A)と駒沢で対戦する。森は「勝っても負けてもラスト数試合しか残っていない。思い切って戦いたい」。この日は2年生8人と1年生2人が先発。チーム主将もゲームキャプテンも引き継いでいるが、兵頭監督が「自分は監督ではなく主将のつもり」と言えば、森も「キャプテンのつもりで支えたい」と声をそろえた。県内で5指に入る進学校かつ若きイレブンが、東京勢に大敗した32大会前の呪縛を解く、番狂わせを狙う。【木下淳】

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