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【ソフトバンク】海野隆司「ポスト甲斐」競争勝ち抜き秘策は「今宮さんのように嫌らしい」打者に


ソフトバンクの捕手、海野隆司(27)が甲斐拓也捕手の巨人移籍を受け、「ポスト甲斐」に名乗りを上げた。甲斐の後継として正捕手争いに参加する海野は、自身の攻撃力を高めるために「ダルいバッター」を目指すと語った。彼は相手にとって嫌がられるしぶとい打撃スタイルを持つことを目標に掲げ、今宮健太から学ぶ意欲を見せている。さらに、海野とともに正捕手を目指すのは、打力に秀でた谷川原健太、ベテランの嶺井博希、強肩の渡辺陸。各選手がそれぞれの強みを生かし、新たな司令塔の座を狙う決意を示している。

みずほペイペイドームで自主練習を終え、取材に応じるソフトバンク海野(撮影・佐藤究)

2025年はダルい男になる!? ソフトバンク海野隆司捕手(27)が22日、「ポスト甲斐」に名乗りを上げた。チームの顔だった甲斐拓也捕手(32)がFAで巨人入りを決断。絶対的な司令塔が流出したが、海野には正捕手奪取への大チャンスが巡ってきた。課題の攻撃力向上に向け、相手からいやがられる打席でのしつこさを会得。嶺井博希(33)、谷川原健太(27)、渡辺陸(24)らとのレギュラー争いを制してみせる。

   ◇   ◇   ◇

自主練習を終えた海野の表情が、現状を物語っていた。17日にFAで甲斐が巨人入りを決断。熾烈なポスト甲斐争いが始まることは、百も承知だ。そ

の競争を勝ち抜くための秘策を「ダルいバッターになりたい」と明かした。

今季は2番手捕手として台頭。102試合の甲斐に次いで、38試合で先発マスクを被った。途中出場を含めた51試合はキャリアハイだ。ブロッキング、スローイングには定評があるが、打率1割7分3厘、2本塁打、10打点の打撃が課題。弱点克服へ、今オフは打撃改造に着手する。理想のスタイルに、チームの先輩の名を挙げた。

「今宮さんのように渋いっていうか。今年1年間を見て、今宮さんの働きはキャッチャーとしても嫌。自分も嫌らしく、たかが8番、9番打者じゃなくて、ダルいバッターになりたい」と説明。容易に打ち取ることができず、相手捕手を「ダルい…」と困惑させるイヤらしさを会得する。来年1月から今宮の自主トレにも参加。「ずっとファウルで粘って四球を取って、長打は捨ててっていうか(相手から見て)イヤな選手になる」と理想像へ突き進む。

甲斐の思いも受け継ぐ。移籍決定後に食事する機会があり、激励された。「4年間一緒にプレーしてずっと見てきたので。ほんとうにすごいキャッチャーです」と尊敬する絶対的司令塔がチームを去る来季。新たな司令塔へのビッグチャンスをつかむ。【佐藤究】

○…谷川原は「打てる捕手」として甲斐の後釜を狙う。今季は持ち味でもあった内外野を守るユーティリティーぶりを封印。捕手一本にこだわり、ウエスタン・リーグで74試合に出場した。1軍では4試合で打率4割4分4厘、2打点に終わったものの、2軍で経験を積み「今年は基礎を作った分、来年は一気にいきたい。開幕スタメンを狙っていきたい」とプロ10年目の来季へ目の色を変えている。

○…ベテラン嶺井は再起を期す。今季の1軍出場は自己ワーストの4試合に終わり「試合に出て『なんぼだ』っていうことを痛感した」と悔しさを募らせる。現状、ホークス捕手陣で最年長の33歳。「もっと自分の力で1軍(の出場機会)を切り開いていけるように」と巻き返しを図る。22年オフにDeNAからFAで加入。経験、実績は十分で、このまま若手に出場機会を譲るつもりはない。

○…強肩強打が持ち味の渡辺も、正捕手争いに割って入る。今季は2年連続1軍出場ゼロに終わるも、22年は20試合出場で3本塁打を放つなど潜在能力は高く、伸び代は十分。「1軍で試合に出ないと、いる意味もないというか。具体的な数字よりも、とにかく打つだけです」と鼻息は荒い。オフには一般女性との結婚を発表。伴侶を得て、25年こそブレークを果たす。

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