こじ開けた上田＝５連勝、首位浮上に貢献―Ｊリーグ・鹿島

　最後は個の力でこじ開けた。０―０の後半２６分、鹿島の上田は中央右からのパスを正確にトラップし、ペナルティーエリア手前から小さなモーションで右足を振り抜く。相手ＤＦの寄せはわずかに遅れた。「一発で決められてよかった」。ゴール右の狭いコースを射抜き、均衡を破った。 　それまでサイド攻撃で主導権を握り、ゴール前へ何度も運びながらも、福岡の堅守にてこずった。後半早々には鈴木のヘディングシュートがクロスバーに阻まれる場面も。上田は「前半から（相手の）ラインが低かった。足元で受けて、どこかで足を振れたらと」。多彩なシュートパターンが持ち味のストライカーはじれることなく、打てる場面を狙っていた。 　接戦を続けて物にし、２年ぶりの５連勝で首位に浮上。３戦連発の２３歳は５ゴール目で得点ランキングトップに立ったが、「個人のタイトルに対する思いは特にない」ときっぱり。「チームの目標はリーグ優勝。点を取り続ければ（得点王は）おのずとついてくる」と静かに語った。（了）【時事通信社】