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大会不成立に危機感=IPC、暴力への危惧も〔パラリンピック〕


 決定は一夜で覆った。国際パラリンピック委員会(IPC)は、ロシアとベラルーシの選手の出場を容認した理事会方針を撤回。北京大会から除外するという重い決断を下した。  パーソンズ会長は、正反対の結論となった理由について「選手の安全を守るため」と説明。ウクライナに侵攻したロシアと同盟国ベラルーシへの反発から「選手村の状況はエスカレートしている」と明らかにし、暴力に発展することへの懸念を示した。  ロシアとウクライナは現在も交戦中で死者が増えている。北京大会を取材するウクライナ人記者によると、将来のパラリンピック出場を目指す若者が命を落とした。このままロシア、ベラルーシ選手が選手村に滞在し続ければ、選手同士の衝突が起きてもおかしくない緊張状態だった。  ボイコットを訴える選手も相当数現れたという。IPCは、欠場が相次ぎ大会そのものが成立しなくなる事態を無視できなかった。  IPCは2016年リオデジャネイロ大会でも、ロシアが組織的なドーピングを認定されたことを受け、出場を認めなかった。薬物問題から国際スポーツ界でロシア排除の動きが加速し、ついには戦火が決定打となった。  パラリンピックは、障害のある人たちのための大会。すべての人々とともに活躍できる共生社会の実現という理念の下、選手は戦う。ロシアとベラルーシはともに冬季大会の強豪で、パラスポーツの発展に一役買ってきた。それでも、戦争とスポーツが両立することはない。(時事)【時事通信社】
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