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コロナ禍を逆手に取った戦略:リアルゲイトの「分散型オフィス」が描く未来



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(画像=株式会社リアルゲイト)






岩本裕(いわもと ゆたか)

株式会社リアルゲイト 代表取締役

一級建築士、東京都市大学(旧武蔵工業大学)工学部建築学科卒業

大手ゼネコンでは、主にマンション工事の現場監督とアメフト選手として活動、 その後大手マンションデベロッパーと新興デベロッパーにて土地の仕入れから企画販売を一貫して経験。

2009年8月に「the SOHO」の運営を機に当社設立。代表取締役就任、2021年7月サイバーエージェントグループに参画、現在に至る。






株式会社リアルゲイト


一級建築士事務所としての建物再生ノウハウと90棟を超えるオフィス運営実績に基づき、
都心部を中心に新築・築古ビル問わず、企画から設計、施工監理、リーシング、その後の
運営管理までをワンストップで手掛けています。賃料収入等物件運営から得られるストッ
ク型収入を主軸に、付随する設計・施工請負や物件売却等のフロー型収入が加わる安定的
な収益構造で、創業から15期連続増収と堅実な業績推移をしております。





事業変遷について


ーーこれまでの事業変遷についてお伺いします。


株式会社リアルケ?イト 代表取締役社長・岩本裕氏(以下、社名・氏名略):当社を設立したのは2009年です。元々は会社員として独立系デベロッパーにて不動産開発を行っていましたが、リーマンショックで事業が苦しくなり、スモールオフィスビジネスを始めました。スモールオフィスビジネスを始めた経緯としては、当時はマンション販売も行っていて、法人登記を希望するお客様が増加傾向にあった点や、法改正やインターネットの普及により、都心部でスモールオフィスやシェアオフィスがヒットすると考えたことです。


当初は、お台場でスモールオフィスの開発を行っていた前の会社を引き継ぐ形で運営を始めました。その後、青山や原宿といった都心部で古いビルやマンションをオフィスに変える古ビル再生事業を展開しました。


ーー上場を目指すに至った経緯をお聞かせください。


岩本:5年ほど前、運営プロジェクトの累計が60件ほど、社員数が約50人と拡大したので、会社を安定的に成長させていくべきだと考え、上場を目指しました。
当社の業績は順調でしたが、上場審査中において親会社を変更する必要がありました。


私自身、自社の独立性と親会社とのシナジー効果の2点が期待できる会社を探した結果、複数の候補者の中から、サイバーエージェント社が親会社になりました。


親会社が変更されてから1年半、会社を引き締め、上場申請を行い、無事に上場を果たすことができました。


今後の事業戦略について



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(画像=株式会社リアルゲイト)



ーー御社では古い建物に価値を見出し、働き方に合わせた不動産事業を展開していると伺いましたが、コロナ禍によってオフィスの需要が変化していますね。


岩本:はい、コロナ禍によってオフィスの需要が減少し、特に都心部のオフィスビルにおいて空室率が高まっています。しかし、仕事場は単に分散されただけで、自宅や郊外、リゾート地、都市部のシェアオフィスなどに移り変わっています。私たちのフレキシブルワークプレイス事業は、この分散する動きを支えており、コロナ禍の影響がプラスに働いていると考えています。


ーーなるほど。不動産業界における問題点を解決するという観点から、オーナーさんとテナントのニーズをどのようにつなげているのでしょうか?


岩本:空室が増えたり、古いビルが法令違反になるなどといった問題を抱えるオーナーさんから物件を借り上げ、テナントに貸すという形で両者のニーズを満たしています。特にスタートアップなどは、安全で個性的な古いオフィスを借りたいというニーズがあります。


ーーありがとうございます。続いて、御社の強みについて、具体的に教えていただけますか?


岩本:当社の強みは、物件の仕入れから運営までワンストップで行っていることです。元々、テナント運営から始めた会社であるため、お客様の意見をしっかりと聞いて適切な賃料や企画を提案できることが強みです。デザイン、設計、建設、リーシングまで一貫して行っています。


また、私たちの場合、運営から始めているため、お客様のニーズに合わせた賃料設定ができており、仕入れを間違えなければ、オーナー様が赤字にならないという強みもあります。


ーーありがとうございます。御社の強みがあるからこそ、高い稼働率を維持されているのですね。


岩本:そうですね。コロナ禍でも95%以上で稼働していますし、運営が良いと、景気が悪くても縮小移転があったり、景気が良ければ新しい企業が生まれたりして、稼働率を高く保てます。


エクイティ(IPO)を活用しようと思った背景や思い


ーーさて、激動の時代を迎える中、エクイティを活用したIPOという手段を取られた背景や代表の思いについてもお聞かせいただけますか?


岩本:はい、もともと事業利益は出ていたので、借り入れで賄っていました。ただ、IPOを目指す中で、多くのオーナー様から長期間の借り入れを受けることになります。現在、70棟の物件を運営し、約1300社のお客様に物件をお貸ししています。


そうなると、中長期的に安定した会社であることが重要です。財務的にも安定し、資金を使えることで、自己資本比率を高め、オーナー様からたくさん物件を借りられるようになるためです。それがエクイティにてIPOを目指した背景です。


思い描いている未来構想



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ーー今後の事業戦略や未来構想についてお聞かせいただけますか?


岩本:具体的には、3年後を見据えて、物件数を増やしたり、自己資金で保有物件を増やしたりしようと考えています。また、オフィスだけでなく、オフィスと相性の良い店舗やイベントスペースも拡大していく予定です。特に、コロナ禍で店舗がEC化し、高いコストを払って店舗を持たなくても良いという会社が増えました。しかし、店舗が必要な場面もあります。そこで、シェアオフィスのノウハウを活用してイベントスペースを提供しています。さらに、大型オフィスのオーナーさんからの依頼も増えており、シェアオフィスを入れることでビルとしての差別化が生まれるため積極的に推進しています。


ーーなるほど。環境に配慮したビル建築の取り組みについてもお聞かせいただけますか?


岩本:環境に配慮したビルとして、古いビルを使うことが新築を建てるより環境に良いとされています。その中で、シェアオフィスは古いビルの隙間を埋めるような産業でしたが、コロナ禍で大型ビルにも入っていく時代になってきています。これからも、そういった取り組みを増やしていく予定です。


また、クライアントの中でも”環境を考慮した街づくり”の意識が高まっており、我々も環境によい街づくりを意識しながら、成長していくことが今後の重要な戦略です。


ーーありがとうございます。金融経済の市場について、代表が考える課題について教えていただけますか?また、御社が所属されている業界の動きについてもお聞かせいただけると幸いです。


岩本:金融や経済の動きは、不動産業界に大きな影響を与えています。不動産を持つ方や投資する方は短期目線に左右されず、本質を見抜いて不動産を投資することが大事です。本質とは、賃料や稼働率など、収支に関わる要素を見て判断することが重要となります。


ーー弊社のユーザー様は不動産投資をされている方が多いので、今のお話は非常に参考になります。ありがとうございます。


ZUU onlineユーザーに一言


ーー最後に、ユーザー様に対して、お一言いただければと思います。


岩本:当社は半年ほど前に上場したばかりの会社ですが、中長期目線を持って会社を成長させています。創業から15期連続増収しており、これからの中期経営計画も確実に達成したいと考えています。これから投資される方や興味を持っていただける方がいましたら、ぜひ応援していただければと思います。



氏名

岩本裕(いわもと ゆたか)

会社名

株式会社リアルゲイト

役職

代表取締役
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