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外貨預金は円安の今始めるべきか?初心者向けに利益の仕組みや注意点、始め方を解説


(画像=NET MONEY編集部)

円安が進んだ2022年以後は、外貨を持ちたい人が増え外貨預金の口座開設数および預金残高が増加したという報道もありました。外貨預金は今、始めるべきなのでしょうか。外貨預金の魅力や基本的な知識、外貨預金の始め方などについて解説します。

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米ドル定期預金
(1ヶ月)
年6.00%
(税引後4.78%)
・2024年2月14日現在。円からの預入時
・上記金利で1ヶ月(30日)1,000米ドルお預入れいただく場合の受取利息計算例:1,000米ドル×6.00%×30日÷365日×79.685=約3.92米ドル
・外貨定期預金の通常金利は、米ドル1ヶ月定期:年5.0%(税引後年3.98%)です。
・外貨定期預金の初回満期日以降の利息は、「自動継続」の場合は満期日(継続日)当日の同一期間・同一通貨の大和ネクスト銀行所定の外貨定期預金金利によります。

大和ネクスト銀行は、取扱通貨が12種類
いつでも好金利で預けられるので、分散投資をしたい方におすすめです。

外貨預金の3つの魅力

円安のニュースを受けて外貨預金が増加したのは、外貨預金の為替変動による利益の増加や金利の高さ、外貨の取得といった3つの魅力があるためでしょう。その魅力について詳しく解説します。

為替変動によって円換算した預金額が増加する

例えば、1米ドル=140円のときに円を米ドルに替えて預け入れ、1米ドル=145円のときに円に戻して引き出した時には1米ドルあたり5円の利益が得られます。100万円を米ドルに替えて外貨預金した場合、為替変動により得られる利益は3万5,714円です(為替手数料は考慮しない)。

「○○高」とは他国通貨と日本円の相対的な関係を示しており、一方が高くなる時は他方が安くなり、一方が安くなる時は他方が高くなります。ドル高はすなわち、円安でもあるのです。このように基準の外貨を元に考えると理解しやすいでしょう。

また、外貨預金では外貨を基準として1外貨と交換するために必要な円の価格が上がれば(円安になれば)利益が得られ、下がれば(円高になれば)損すると考えれば簡単に理解できます。

(画像=NET MONEY編集部)

高金利の国の通貨は利息が大きい

日本は低金利が続いていますが、欧米各国では歴史的な大幅利上げが実施されて金利が上昇しています。銀行が取り扱っている主な外貨を自国通貨とする国の政策金利は以下の通りです。

■各国の政策金利

2024年2月13日現在  ※中銀預金金利

政策金利が高ければ必然的にその外貨の預金金利が高くなり、受け取る利息が大きくなると期待できます。

預金した外貨を使うことができる

コロナ渦が明け海外へ足を運ぶ人が増える一方で、円安の影響で以前より旅費が高く感じる人も多いでしょう。外貨預金をしておくと、預金を日本円で引き出すこともできますが、現地でそのまま使うこともできます。

海外旅行に行く機会の多い人は、資産形成という観点だけでなく、便利でお得な支払い手段として外貨預金を利用することも検討すると良いでしょう。

また、資産形成の観点においても、投資信託などを介して行う外国資産への投資は日本円で払い戻されますが、外貨預金は外貨を引き出せるため、海外旅行などに備えて外貨を取得したいと考える人にはメリットです。

外貨預金の始め方

外貨預金をしてみたいと考える人のために、始め方を解説します。通貨と銀行を選択するだけの2ステップです。しかし、通貨も銀行も数が多いため選び方について説明します。

外貨預金の通貨の選び方

外貨預金では引き出しタイミングを考えるために情報収集が必要です。情報収集がしやすいのは取引量が多い通貨でしょう。通貨の取引量ランキングは以下の通りです。

■世界の外為市場取引額の通貨別ランキング

順位通貨シェア
1米ドル44.2%
2ユーロ15.3%
38.3%
4英ポンド6.5%
5中国元3.50%
6豪ドル3.20%
7カナダドル3.10%
8スイスフラン2.60%
2022年4月現在
出所:BIS 2022 年外国為替及びデリバティブに関する中央銀行サーベイ

ランキング上位の外貨はテレビや新聞、インターネットから得られる情報量が多く、始めるタイミングおよび引き出すタイミングを見極めやすいと言えます。これから外貨預金を始める人は、まずは米ドルを選ぶのが良いでしょう。

外貨預金におすすめの銀行を選ぶ3つのポイント

米ドル、ユーロ、英ポンドといった取引量の多い通貨は多くの銀行が取り扱っています。それらの銀行の中からどの銀行を選択すると良いのか、3つのポイントを押さえて選びましょう。

1 金利

まずは、金利が高い銀行を選びましょう。金利は銀行ごとに自由に設定できるため、同じ通貨でも銀行によって異なります。銀行によっては、高金利キャンペーンなどを実施しているので、キャンペーンの開催時期を狙って預金するのも良いでしょう。

2 手数料

円から外貨、外貨から円にするときに為替手数料が発生するため、為替手数料の安さもポイントです。為替手数料は、銀行や通貨によって異なります。

基本的には店舗のある銀行よりもネット銀行のほうが手数料が安く、無料の銀行もあります。また、流通量の多いドルやユーロなどのメジャーな通貨の方が為替手数料は安い傾向があります。

3 サービス

銀行ごとにさまざまなサービスが提供されています。例えば、あらかじめ指定した為替レートに到達すると自動で取引が実行される予約サービスや、毎月一定額を自動で入金する積立サービス、預金している外貨を引き出して届けてくれる宅配サービスなどです。

利用したいサービスから銀行を選択するのも良いでしょう。

外貨預金におすすめの銀行3選

外貨預金でおすすめの銀行を選ぶポイントは金利、手数料、サービスの3つですが、その3つのポイントを踏まえ、おすすめの銀行を3行紹介します。

外貨預金におすすめの銀行3選
  1. 大和ネクスト銀行:金利が比較的高く積立は手数料無料、外貨宅配サービスが便利
  2. ソニー銀行:金利が比較的高く期間限定で手数料無料、顧客満足度は1位
  3. PayPay銀行:手数料が安くスマホ1台で手軽に始められる

大和ネクスト銀行:金利が比較的高く積立は手数料無料、外貨宅配サービスが便利

大和ネクスト銀行は、取扱通貨が12通貨と最多クラスの銀行です。外貨普通預金の金利も米ドルで0.50%と比較的高く、外貨定期預金の金利は米ドルで1ヵ月ものが5.00%、3ヵ月ものが4.50%と比較的高水準です。

また、為替手数料は米ドルで往復1.00円以下、豪ドルで往復2.00円以下ですが、積立による買付時の為替手数料はかかりません。

さらに海外旅行によく行く人は、外貨宅配サービスを利用すれば、両替の手間を省くことができます。大和ネクスト銀行は、金利、手数料、サービスのバランスが良く、また大和証券と連携しているため資産運用をしやすい銀行です。(2024年2月現在)

ソニー銀行:金利が比較的高く期間限定で手数料無料、顧客満足度は1位

ソニー銀行は、取扱通貨が12通貨と最多クラスの銀行です。外貨普通預金の金利も米ドルで0.70%と比較的高く、外貨定期預金の金利は米ドルで1ヵ月ものが9.00%、3ヵ月ものが3.80%と水準は高めです。

また、為替手数料は米ドルで往復0.30円以下、ユーロでも往復0.30円以下と低水準で、さらに口座開設日から開設日の属する月の翌々月末日までの期間は買付時の為替手数料がかかりません。

ソニー銀行は「2023年オリコン顧客満足度調査」の「外貨預金」にて、4年連続総合1位を獲得しており評判のいい銀行と言えます。(2024年2月現在)

PayPay銀行:手数料が安くスマホ1台で手軽に始められる

PayPay銀行の取扱通貨は、9通貨です。外貨普通預金の金利も米ドルで0.05%、外貨定期預金の金利は米ドルで1ヵ月ものが7.00%、3ヵ月ものが4.60%とキャンペーンが適用されると比較的高水準です。

また、為替手数料は米ドルで往復0.1円、ユーロで往復0.28円と最低水準で、さらにスマホで即時開設ができます。PayPay銀行はスマホ1台で簡単に外貨預金が始められる銀行です。(2024年2月現在)

外貨預金の仕組み

外貨預金とは、通貨を銀行に預けるという預金の方法自体は円預金と同じです。円預金では日本円を預け入れて日本円で払い戻しますが、外貨預金の場合は日本円を外貨に交換して預け入れ、外貨で払い戻すか日本円に交換して払い戻すかを選択します。

円預金と異なる4つのリスク

預金の方法は同じ外貨預金と円預金ですが、異なる点がいくつかあり、特に4つの違いは外貨預金特有のリスクとして注意が必要です。また、リスク回避の方法も合わせて解説します。

1.預金保険制度の対象外になる

円預金は万が一、金融機関が破綻した場合でも1金融機関ごとに元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されますが、外貨預金は対象外です。

外貨預金をする時は1つの口座に資金をまとめず複数の金融機関の口座に分散し、破綻リスクを減らすと良いでしょう。

2.元本割れリスクがある

外貨預金は元本割れとなるリスクがあります。円預金は物価高によって円の価値が下がったと感じることはあっても額面の金額が減ることはありません。

100万円を預ければ100万円とその利息を受け取ることができますが、外貨預金は為替変動により預けた100万円が減ってしまう場合があります。元本割れになるのは、外貨預金を始めた時の為替レートよりも円高になった場合です。

元本割れのリスクを減らすために、外貨預金する予定の資金を1度で外貨に交換してしまうのではなく積立で毎月一定額を交換することで購入価格を平準化したり、指定したレートになったら交換したりして買い方を工夫すると良いでしょう。

3.手数料がかかる

外貨預金は、円と外貨を交換する際に、銀行ごとに定める手数料がかかります。円預金は預金について手数料が発生することはありませんが、外貨預金は円を外貨に、外貨を円にする際に為替手数料が必要です。

為替手数料は、外貨預金を始める銀行を選択する時に、手数料が安い銀行を選ぶことでコストを抑えることができます。また、手数料無料キャンペーンや積立預金に限って手数料を無料にしている銀行を利用するのも良いでしょう。

4.税金の負担と確定申告が必要になる場合がある

外貨預金の利息には円預金と同じく20.315%の源泉分離課税がかかります。受け取った利息は源泉徴収後のものなので、確定申告は不要です。

ただし、外貨預金は円預金と違って為替変動によって発生した利益を円に交換して利益を確定させると、雑所得になります。なお、利益が発生していても円に交換または他の外貨に交換しなければ利益を確定することはありません。

雑所得は20万円を超えると確定申告が必要です。ただし、20万円以下でも住民税の申告が必要な場合があります。大きな利益を確定させた年は念のため確定申告をしておくと良いでしょう。

円安と円高のいつが外貨預金を始めるタイミング?

「円高の時に外貨預金を始めるべき」と考える人が多いでしょう。為替変動による利益を得るためには円高に時に始める方が基本的には有利です。

では、頻繁に新聞やニュースで「円安」を取り上げられている今は外貨預金を始めるべきではないのでしょうか。具体的に、外貨預金を始めると良い3つのタイミングについて解説します。

1.円安になると予想するタイミング

過去と比較して今が円安だとしても、外貨預金で為替変動による利益が得られるかどうかは将来の為替次第です。

さらに円安が進めば利益を得られるため、過去と比較して「今が円高か?円安か?」と考えるよりは、各国の金融政策や経済情勢の動向などをウォッチして将来の為替予想をしながら、外貨預金を始めるタイミングを狙いましょう。

例えば、米国の利上げが継続するというニュースが出るとドル高円安が進むことが予想されます。ニュースが出たタイミングで外貨預金を始めてみましょう。その後、予想通りに円安が進む場合は為替変動による利益を得られます。

2.円預金の金利が低いと感じるタイミング

外貨預金で得られる利益は為替によるものだけでなく、高い金利による利息もあります。三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行といったメガバンクの円定期預金の金利は0.002%と、100万円を1年間預けても、課税前で20円の利息しか受け取れません。

一方、外貨預金は、例えば大和ネクスト銀行で円からの預け入れであれば1ヵ月ものの米ドル定期預金の金利が6.00%(2024年2月14日時点)と、100万円を1ヵ月間預けると、課税前で約5,000円の利息が受け取れます。円預金と比較すると、たった1ヵ月でも1年の円定期預金で得られる利息の250倍です。

ただし、為替変動による損が発生する場合もあるため、引き出す時に円預金のように利息分が増え必ず受取り額が増えるわけではないことに注意しましょう。

3.日本の経済情勢に不安を感じるタイミング

一般的に経済情勢に不安のある国の通貨は安くなる傾向があります。景気後退懸念が高まると株価が下がり、モノやサービスの購買意欲が減退しがちです。すると企業は、設備投資などを控えるようになり、資金調達の需要が減るため、金利が下がりやすくなります。

株価や金利が下がると、結果としてその通貨は相対的な魅力が低くなり、売られやすくなるのです。

将来的に日本の経済情勢に不安が生じた場合、さらに円が安くなるかもしれません。円安が進むと為替変動による利益を得られ、円資産の価値の減少を補うことができます。将来の日本の経済情勢に不安を感じた時は外貨預金を始めるタイミングです。

外貨預金を引き出すタイミングはいつ?

いつ引き出しても額面の変わらない円預金と違って外貨預金は為替変動の影響を受けるため、外貨預金を始めるときに引き出すタイミングも想定しておかなければなりません。具体的に3つの外貨預金を引き出すタイミングを紹介します。

1.円高になると予想するタイミング

外貨預金への預入時よりも円安になれば、円での受取り額が増えて、利益を得られます。利益が出る時は引出しをしても良いでしょう。

そして、引出しを検討しなければならないタイミングが円高になると予想できる時です。円高になると円での受取り額が減るため、含み益を減らしたり、含み損を抱えたりします。金融政策の方針転換や経済情勢に陰りが出るなど長期的に円高になりそうなニュースが出た時には、引出しを検討しましょう。

2.大きな出費があるタイミング

大きな出費が控えている時も引出しを検討するタイミングです。資産が期待通りに増えたため、住宅購入や子供の教育費のために円で保有したい、あるいは、高齢で老後のために資産の評価額が大きく変動しないようにしておきたいなど、日本円での大きな出費を予定している人は外貨預金の見直し時です。

外貨預金は為替変動の影響を受けるため、引出しのタイミング次第では元本割れのリスクがあります。必要に迫られて慌てて引き出すとタイミングを選択できず想定外に損をしてしまうかもしれません。含み益があり、大きな出費を控えている時は、外貨預金の引出しのタイミングと言えます。

3.海外旅行など外貨を使いたいタイミング

海外旅行を予定している人は、外貨預金をしているその通貨が旅行先の国の通貨である場合、旅先で必要な金額の引出しを検討しましょう。

例えば、宅配サービスのある銀行では、旅行前に自宅に外貨を送ってもらうことができます。外貨決済に対応したデビットカードを提供している銀行では、貯めた外貨を使ってそのまま決済することも可能です。

両替所によっては為替レートが不利である場合があり、また、クレジットカードを利用すると事務処理手数料が加算されます。そのため、基本的には預金している外貨を使う方が便利です。

外貨預金に関するよくある質問

外貨預金はしたほうがいいですか?
これから円安になると予想する人、円預金の金利が低いと感じている人、日本の経済情勢に不安を感じている人は、外貨預金を検討してみると良いでしょう。これらのニーズに対する解決方法の1つが外貨預金です。

外貨預金を行うメリットは、為替変動による利益を狙えること、円預金より高金利であること、外貨を取得できることの3つがあります。

ただし、外貨預金には元本割れリスクや手数料がかかるなどの注意点もあるため、外貨預金の引出しレートは予め想定しておき、予想外のことが起きた時の行動も預入時に決めておくと良いでしょう。
外貨預金を始める際は、円高、円安どちらの局面で始めるとよい?
外貨預金を始めるにあたって、円高の時に始める方が有利でしょう。しかし、円安の時に外貨預金を始めるのが不利かと言うと、必ずしもそうとは言えません。

外貨預金を始めた時より円安になったかどうかで利益が発生します。円高の時に始めたとしても、その後さらに円高が進んだ場合は損失が発生し、為替レートが横ばいの場合は利益が出ません。将来的に円安になると予想できるタイミングで外貨預金を始めると良いでしょう。
円安の時にやるべきことは?
円安になると予想される時には、外貨建て資産を持つと良いでしょう。円安になると為替変動による利益を得ることができます。

外貨建ての資産とは、外貨預金で外貨を保有したり外国資産に投資する為替ヘッジ無しの投資信託を購入したり、外国株式や外国債券に投資したりする方法があります。リスク許容度に応じてそれぞれの資産の保有割合を決めると良いでしょう。
外貨預金が円高になるとどうなる?
円高になると、預け入れた外貨預金の元本に損失が発生したり、元本の含み益が減ったりします。 ただし、損失が発生した場合、円に交換して引き出さない限り、この損失は確定しません。

為替レートは日々変動しているため、その円高が一過性の動きなのか長期的なトレンドの転換なのか、ニュースなどでその動きの背景を確認し、外貨を保有し続けるのか、あるいは引き出すのか判断しましょう。
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