2023年8月で、モバイルSuicaを還元率2.5%で使うルートが消滅します。
エポスゴールドカードの「選べるポイントアップショップ」から「モバイルスイカ」が消えるためです。
これを機に、エポスゴールドカード自体やめてしまうことも一瞬考えました。
しかし、これはあり得ません。
エポスゴールドカードは単に優れたカードというにとどまらず、人気のカードを3枚まとめて無力化する存在なのです。
サービス低下の今こそ改めて、王者とそれに到底かなわないカードたちを比較します。
なお、今後モバイルSuicaをどうするかは筆者としては解決済みですので、関連記事を御覧ください。
エポスゴールドカードは最強の1枚
エポスゴールドカードは、筆者は「ゴールド」と捉えたことがありません。
パフォーマンスに優れたこのカードはゴールド界ではなく、クレジットカード界の王者です。
こういった存在です。
・ 年会費永年無料で使うのが前提
・ 年間100万円使う前提なら高還元率
・ チャージにも強い(多くのキャッシュレスアイテムへのチャージがポイント対象になる)
・ 家族カードはないが、家族をゴールドに招待できる
他にもいろいろ豊富なサービスがあるのですが、以上4件だけでも十分です。
そして、この特性によって人気のカードを無力にするのです。
エポスゴールドに匹敵する西の横綱は、三井住友ゴールド(NL)またはOliveフレキシブルペイゴールドだけと言っていいでしょう。
年会費無料にするには
エポスゴールドカードを年会費無料で使うためには、次のいずれかが必要です。
・ 年会費無料のエポスカードを使い、インビテーションを受ける
・ エポスゴールドカードから始める場合は、年間50万円以上利用すれば永年年会費無料
一度も年会費を支払わないで済む、前者が一般的に推奨されています。
エポスカードを1年以内に50万円使うとおおむねインビテーションが来ます(公式未公表)。
ですが本当は、後者の方法がおトクです。
このカードは年間100万円を利用してベストパフォーマンスとなります。
最初からその前提で使うなら、2年目からの年会費永年無料は確約されています。
そして1年目も年間100万円使うなら、1万ポイントのボーナス付与により実還元率は1.5%です。
1年目のみ必要な年会費5,000円をボーナスから控除してもリターンが1万円分残るので、年会費含めて還元率を修正しても1.0%です。
<(100万円×0.5%+1万円-5,000円)/100万円 = 1.0%>
エポスカードで年間50万円使って2,500ポイント得る(還元率0.5%)より、最初から還元率が上回っていることがおわかりでしょう。
「いきなりゴールド」を推奨します。
なお「1年」の区切りは、会員ごとに入会月で設定されるため、いつ始めるか気にすることはありません。
エポスゴールドに無力化される3枚のカードたち
クレジットカードは、使うべきシーン別に複数持つことをおすすめします。
利用頻度は少なくても、特定の店舗で割引や特典が得られるカードは必需品です。
筆者の大事にしているそんなカード紹介します。
・ 三菱UFJカード(松屋グループで10.5%還元)
・ マルエツカード(日曜日のマルエツで5%割引)
・ セゾンパールアメックス(セゾン・アメックス・キャッシュバックが使える)
【関連記事】:WAONポイントは「日曜日のマルエツScan&Go」が6%還元で一番よくたまる ウエル活に使うのもよし
いっぽう、特長がエポスゴールドカードにすべて吸い取られてしまい、存在価値を奪われるカードもあるのです。
まだ持ってはいますが、ほとんど使わない次の3枚です。
・リクルートカード
・Orico Card THE POINT
・楽天カード
詳しくご説明していきます。
リクルートカードは還元率でもチャージでもかなわない
リクルートカードは還元率1.2%を誇るカードです。直接決済ではいまだに優秀です。
しかしたび重なるサービス低下により、電子マネーチャージの価値が損なわれています。
わずかに、次のものぐらいです(月3万円までの制限もある)。
・ VISAまたはMastercardでの、楽天Edyチャージ(1.2%)
・ VISAまたはMastercardでの、モバイルSuicaチャージ(1.2%)
・ (2020年3月以前の登録者に限り)nanacoチャージ(1.2%)
リクルートカードはJCBのほうが人気ですが、現在リクルートカードJCBをキャッシュレスに組み合わせるメリットはほぼ消滅しています。
2023年9月からはエポスゴールドカードからのSuicaチャージも1.5%に落ちますが、それでもリクルートカードは勝てません。もちろん、直接決済でもかないません。
Orico Card THE POINTは特徴がすべてエポスゴールドと被っている
Orico Card THE POINTは還元率1.0%で、キャッシュレスとの組み合わせも優れた1枚です。
筆者も繰り返しマネーの達人でおすすめしていますが、実のところあまり使いません。
エポスゴールドカードと、完全に利用シーンが被るためです。次の通りです。
・ モバイルSuicaチャージ
・ au PAYチャージ(Androidの場合、ここからモバイルSuicaチャージルートあり)
※ Orico Card THE POINTのJCBブランドはau PAYチャージ不可
au PAYでは他社カードからのチャージに「月5万円」という制限ができましたが、その制限の中でチャージができてポイントがたまるカードとしては、エポスゴールドカードとOrico Card THE POINT(Mastercard)は双璧です。
ですが、最終的には還元率に差があるため、使わなくなってしまうのです。
それでもエポスゴールドカードは年間100万円を超えるとどんどん実還元率が下がっていくため、オリコにスーパーサブとしての出番はまだあります。
楽天カード
今でも人気のある楽天カードですが、Androidユーザーの筆者にとってはついにほぼ無価値な存在になりました。
Androidの場合、このルートがあるのです。
・ エポスゴールドカードから楽天Edyにチャージ
・ 楽天Edyから楽天キャッシュにチャージ(2023年7月開通)
・ 楽天キャッシュで楽天ペイを使うと、楽天カード直接より0.5%アップ
楽天ペイ自体もほとんど使わなくなっていますが、たまに使う際ももう楽天カードは不要になりました。
楽天カードはポイント付加方法の変更による還元率の実質低下が最近アナウンスされましたが、それよりもずっと大きかったのは2022年の公共料金還元率の軒並み引き下げだと考えています。
筆者の場合楽天カードは、楽天ひかりや「楽天超かんたん保険」の引落しにまだ使っていますが、どちらも契約自体切り替えるつもりです。
それが済んだら、いよいよお役御免です。
久しく使っていなかった楽天Edyを使う気になったのは、エポスゴールドカードでのSuica利用頻度を下げるためです。
エポスゴールドカードのサービス低下と、楽天Edyのサービス強化によって、楽天カードが不要になるとはなんとも皮肉なものです。
エポスゴールドカードは人気カード3枚の立ち位置を奪う最強の存在
モバイルSuicaの還元率が落ちてもなおエポスゴールドカードがラスボスな理由がおわかりいただけましたでしょうか。
なにしろ3枚のカードの立ち位置を根こそぎ奪ってしまうのです。
なおエポスゴールドカードにも弱点はあります。知って使いこなしてください。
※現在「d払い」との組み合わせはメリットがなくなり、「au PAY」のチャージには月5万円の制限があることにご注意ください。(執筆者:金融系ライター 沼島 まさし)