衣食住、これは人間生活にとって欠かせないものだが、その「食」が脅かされている。
最近、スーパーマーケットでは、衝撃的な光景を誰もが目にする。
水、牛乳、ビール、ワイン、じゃがいも、人参、タマネギ、レタス、牛肉、豚肉、鶏肉、まぐろ、サーモン、ケチャップ、マーガリン、バターなどなど、生活必需品の値上げが続いている。
10円、20円、30円の値上げはスーパーマーケットだけではなく飲食店・食品物販店にまで及び、ため息や悲鳴が聞こえてくる。
最近は毎月のように数百、数千というレベルで価格高騰がメディアで報じられており、値上げされていない商品を見つける方が難しいかもしれない。
これほどの物価高パンデミックは、以前は見られなかった。
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なぜ値上げが続くのか
その理由は、国際情勢からの影響である。
家計を混乱させている最大の要因は、ロシアによるウクライナ侵攻である。
日本とウクライナは8,000キロも離れており、なぜウクライナの戦争が我々の家計を圧迫するのかと思う人もいるかも知れない。
世界経済は毛細血管のような網の目状態になっており、どこかで異常が発生すると、それは他の部分に連動するのだ。
ウクライナは世界でも有数の小麦輸出国で、多くのアジアやアフリカの国々に輸出してきた。
戦争状態となったウクライナは安定的に小麦を輸出できなくなり、それによって需要と供給のバランスが崩れ、世界的に小麦価格が高騰した。
日本はウクライナ産小麦に依存していないので、影響は少ないのではと思うかもしれないが、世界的に小麦需要が高まったことにより、日本が輸入する小麦の価格も必然的に高騰している。
小麦を使った製品
小麦を原材料としてた製品は多くある。
- パン
- 麺
- 菓子
- プレミックス(ホットケーキミックスなど)
- パン粉や麩
≪画像元:一般財団法人製粉振興会≫
ロシアのプーチン大統領によって引き起こされたウクライナとの戦争で、小麦価格の急激上昇。
小麦がないとパンも麺もお菓子も作れない。
価格が高騰しても小麦を仕入れるしかない。
材料費が上がることで完成品の値上げも避けられない。
これが、値上げが続く原因のひとつだ。
日本の小麦は9割が輸入
小麦は約9割を外国から輸入しています。
国内産小麦では量(りょう)や質(しつ)が満(み)たせない需要分(じゅようぶん)を政府(せいふ)が国家貿易(こっかぼうえき)により外国産小麦を計画的に輸入しています。過去5年の平均流通量(2016~2020年)
国産小麦 82万トン
輸入小麦 488万トン
うち、アメリカ(49.8%)、カナダ(33.4%)、オーストラリア(16.8%)で、この3カ国でほとんどを占(し)めています。引用元:農林水産省
8,000キロも離れたウクライナ産の小麦不足は、日本には関係なく影響は少ないと考える。
しかし約9割を輸入に頼っている日本は、ウクライナの小麦不足により大きなダメージを受けている。
毎日のようにパンやうどんを食べる人がいたら、その人は値上げした店を恨むのではなく、戦争を恨んだ方がいい。
ロシアのウクライナ侵略が今後も続く場合、引き続き、我々の家計を圧迫する可能性がある。
家計をやりくりするため「世界情勢」に目を向け、いち早く情報を収集することも必要となる。(大学勤務 大谷 国之)
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