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野放しになっている脱税犯はちゃんと捕まる? 税務調査の3つの事情から読み解く脱税の末路とは


税務調査で脱税犯が摘発されたことがニュースになることもありますが、現実問題として、脱税している人がそのまま野放しになっているケースも存在します。

確定申告のケアレスミスを指摘された経験がある方なら「自分よりも調査すべき人はいる」と思われるかもしれませんので、今回は脱税犯がなぜ税務調査を受けていないのか、その理由について解説します。

国税局

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1. 税務調査を担当する職員数が不足している

脱税犯が摘発されていないのは、税務署が行っている税務調査の件数が少ないのが大きな要因です。

国税組織の人員は5万6,000人ほどいますが、内部処理や税金の滞納処分などを担当している職員もいるため、税務調査を行っている職員は全体の一部しかいません。

また所得税の確定申告書の提出件数は2,200万件以上、法人税の申告件数は令和2年度においては300万件を超えるほど提出されていますし、それ以外に消費税や相続税、贈与税などの申告書も提出されます。

職員数に対して処理すべき申告件数が多いため、個人・法人の所得状況をすべて把握できたとしても、全員に対して税務調査を行うのは難しいのが現状です。

2. 現金商売の脱税が野放しになっている可能性は高い

現金商売は、脱税しやすい事業であることは事実です。

クレジットカード決済やインターネット取引を行っている事業者については、カード会社や銀行を調査することで、申告していない売上がないかチェックできますし、経費の水増しも確認することも可能です。

一方、現金商売でレシートや領収書を作成せず、お金を自宅金庫に保管していれば、売上を除外した手掛かりがほとんどなくなります。

脱税の手がかりがつかめないと、税務調査を実施することはできませんので、脱税してもバレない可能性があります。

ただし現金商売は「脱税がバレにくい」だけであって、「脱税がバレない」わけではありません。

税務署は内観調査で店のにぎわい方や客単価を調べることもあり、確定申告の内容と実際の事業の状況が相違している場合は、税務調査を実施して脱税を摘発します。

事業の実態を調査

3. 調査対象になれば税務署から逃れることはできない

SNSなどでは脱税指南している方や、税務署に無申告であることがバレていないなどと発言している人もいますが、その方々はまだ税務調査を受けていないだけで、税務調査を回避できているわけではありません。

税務署は銀行や証券会社を調査することもできますので、銀行にお金を預けていれば、入出金の状況は簡単に把握することが可能です。

また務調査対象者となった場合、調査事項が解明されるまで調査は終わりませんので、調査対象になった時点で税務署から逃れることはできません

申告漏れは本税以外に加算税・延滞税を納めることになりますし、意図的な申告をしなかった場合には重加算税の対象です。

脱税金額が高額になると、逮捕される可能性もありますのでご注意ください。

なお脱税は違法ですが、節税は合法です。

特例制度等を活用することにより、合法的に納税額を抑える方法は多々ありますので、節税のために税知識を身に付けることも大切です。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)

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