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16日の香港市場概況:ハンセン0.7%安で続落、自動車と素材に売り


16日の香港市場は、主要58銘柄で構成されるハンセン指数が前日比201.69ポイント(0.70%)安の28436.84ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が105.96ポイント(0.99%)安の10562.97ポイントとそろって続落した(ハンセン指数は約3週ぶりの安値)。売買代金は1383億5100万香港ドルとなっている(15日は1436億9400万香港ドル)。


中国指標の下振れが重し。午後に公表された今年5月の各種経済統計では、小売売上高や鉱工業生産などの伸びが事前予想以上にそれぞれ前月実績を下回った。経済回復ペースが鈍化していると懸念されている。また、米国では16日(日本時間17日未明)、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が発表される予定。米金融動向を見極めたいとするスタンスも、買い手控え要因となった。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、充電池・自動車メーカーの比亜迪(BYD:1211/HK)が8.2%安、太陽光発電向けガラス基板メーカーの信義光能HD(シンイ・ソーラー・ホールディングス:968/HK)が6.7%安、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が5.5%安と下げが目立った。


セクター別では、非鉄・鉄鋼が安い。新疆新キン鉱業(3833/HK)が9.2%、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が7.6%、江西カン鋒リ業(ガンフェン・リチウム:1772/HK)が5.7%、江西銅業(358/HK)が5.1%、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が3.6%、重慶鋼鉄(1053/HK)が6.4%、鞍鋼(347/HK)が4.5%ずつ下落した。非鉄に関しては、現地メディアが「中国政府は主要な備蓄金属を近く放出する」と報じたことも嫌気されている。上海商品取引所でも、非鉄や鉄筋など主要産品の先物が安く推移した。


自動車セクターも急落。上記したBYDのほか、長城汽車(2333/HK)が9.1%安、広州汽車集団(2238/HK)が6.1%安、東風汽車集団(489/HK)が4.4%安、吉利汽車HD(175/HK)が4.1%安と値を下げた。長城汽車については、同社幹部3人による一部保有株の売却通知も売り材料視されている。


海運セクターもさえない。東方海外(316/HK)が7.1%安、海豊国際HD(SITCインターナショナル・ホールディングス:1308/HK)が6.3%安、中遠海運HD(1919/HK)が5.6%安、太平洋航運集団(2343/HK)が2.8%安、中遠海運能源運輸(1138/HK)が1.9%安で引けた。


半面、天然ガスの銘柄群はしっかり。新奥能源HD(ENNエナジー:2688/HK)が3.5%、華潤燃気HD(華潤ガス:1193/HK)が2.7%、昆侖能源(クンルン・エナジー:135/HK)が2.2%、中国燃気HD(中国ガス:384/HK)が1.0%ずつ上昇した。都市ガス供給の中国燃気は15日の取引時間中に売買を一時停止し(停止前は14.5%安)、本日再開。同社は16日、湖北省十堰市で13日に発生したガス爆発事故について、事情説明の公告を発表した。事故が発生したエリアの都市ガス供給事業者の一つである「十堰東風中燃城市燃気発展有限公司」は、同社の非全額出資子会社に当たるという。現在、政府部門による現場処理、事故原因の調査に積極的に協力しており、調査結果が出次第、改めて情報開示するとした。


一方、本土市場は3日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比1.07%安の3518.33ポイントで取引を終了した。消費関連株が安い。素材株、ハイテク株、医薬品株、インフラ関連株、海運株、公益株なども売られている。半面、金融株は高い。エネルギー株、不動産株も買われている。

亜州リサーチ(株)


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