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12日の香港市場概況:ハンセン1.5%安で3日ぶり反落、業績懸念で太古4.6%安


12日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比356.38ポイント(1.45%)安の24245.68ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が158.38ポイント(1.59%)安の9832.10ポイントとそろって3日ぶりに反落した。売買代金は970億4900万香港ドルとなっている(11日は1036億5300万香港ドル)。

新型コロナウイルスの感染拡大第2波が警戒される流れ。中国では10日まで2日続けて10人以上の新規感染が確認された。国家衛生健康委員会の報道官は11日の記者会見で、「入国者以外の新規感染が報告され、集団感染が増えている」と指摘している。香港デモ拡大の懸念も改めて意識された。香港では10日、反政府デモが再び活発化し、約230人が逮捕されている。現地メディアによると、6月の大規模デモ1周年、7月の返還記念日などに複数のデモが計画されているもようだ。一方、新型コロナウイルス対策を理由に、香港当局は取り締まりを強化するとみられている。

ハンセン指数の構成銘柄では、香港不動産系コングロマリットの太古A(スワイヤ・パシフィックA:19/HK)が4.6%安、米菓・飲料メーカーの中国旺旺HD(151/HK)が3.6%安、不動産デベロッパー香港大手の長江実業集団(CKアセット・ホールディングス:1113/HK)が3.3%安と下げが目立った。太古Aについては、新型コロナ流行の影響により、傘下の商業施設で売上高が急減していることも売り材料視されている。

セクター別では、石油生産・化工や天然ガスなどエネルギー関連が安い。中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が2.6%、中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)と中国石油化工(サイノペック:386/HK)がそろって2.9%、華潤燃気HD(華潤ガス:1193/HK)が6.7%、昆侖能源(クンルン・エナジー:135/HK)が4.1%ずつ下落した。華潤燃気に関しては、第三者割当増資計画なども嫌気されている。

中国不動産セクターもさえない。融創中国HD(1918/HK)が4.4%安、中国海外発展(688/HK)が3.1%安、華潤置地(1109/HK)が2.8%安、龍湖地産(960/HK)が2.5%安、広州富力地産(2777/HK)が2.3%安で引けた。

半面、「在宅経済」銘柄の一角は物色される。日清食品HD(2987/東証)の香港子会社で、袋入り麺「出前一丁」などを中国と香港で生産・販売する日清食品(ニッシン・フーズ:1475/HK)が5.2%高と急反発した。同社が11日に報告した1~3月期決算は8%増益。新型コロナ感染拡大を受けた「巣ごもり消費」の拡大により、即席麺の需要が拡大した。業績拡大の期待が改めて高まっている。

このほか、オンライン健康相談サービスや医薬品Eコマースなどの阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー:241/HK)が7.8%だか、医療サービス亜プリ「平安好医生」運営の平安健康医療科技(1833/HK)が6.0%高、オンラインゲーム・ソフト開発の金山軟件(キングソフト:3888/HK)が4.7%高、飲食など生活関連ポータルサイトの美団点評(3690/HK)が2.1%高と値を上げた。阿里健康信息技術は上場来高値を更新している。

一方、本土市場は続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.11%安の891.56ポイントで取引を終えた。保険株が下げを主導する。空運・海運株、不動産株、資源・素材株、自動車株、インフラ関連株なども売られた。半面、医薬品株は高い。食品飲料株も買われた。

亜州リサーチ(株)




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