みずほリース Research Memo(5):2026年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高を更新
■業績動向
1. 2026年3月期の業績概要
みずほリース<8425>の2026年3月期の連結業績は売上高が前期比32.5%増の921,592百万円、営業利益が同8.8%減の44,674百万円、経常利益が同1.9%減の64,969百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同13.3%増の47,609百万円となった。修正予想(2025年11月6日付の修正値、営業利益は45,000百万円を据え置き、経常利益は3,000百万円上方修正して60,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は2,000百万円上方修正して45,000百万円)に対しては、営業利益は326百万円下回ったが、経常利益は4,969百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は2,609百万円それぞれ上回り、親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高を更新して着地した。全社ベースの契約実行高は前期比10.5%増の1,984,727百万円、営業資産残高は前期末比3.6%増の3,399,877百万円と順調に増加した。契約実行高では国内リース事業が大幅に増加し、営業資産残高では国内リース事業と不動産・環境エネルギー事業が順調に増加しており、国内リース事業と不動産・環境エネルギー事業がけん引した形である。
売上総利益は前期比2.9%増加、売上総利益率は同2.8ポイント低下して9.6%となった。資金原価が国内金利上昇や営業資産残高拡大に伴って増加(前期比82億円増の342億円)したものの、差引利益の増加(同108億円増の1,231億円)で吸収し、売上総利益の増益(同26億円増の889億円)を確保した。販管費は信用コストや人件費などの増加に伴って同18.2%増加したが、販管費率は同0.6ポイント低下して4.8%となった。この結果、営業利益率は同2.2ポイント低下して4.8%となった。営業外損益では受取配当金が同248百万円減少、支払利息が同2,304百万円増加したものの、持分法による投資利益が同4,456百万円増加(前期は18,008百万円、当期は22,464百万円)した。これにより経常利益の減益幅は営業利益の減益幅に比べて小幅となった。また特別損益では投資有価証券評価損が同1,205百万円増加(前期は41百万円、当期は1,246百万円)したことに加え、本社移転費用1,190百万円を計上したが、投資有価証券売却益が同3,889百万円増加(前期は403百万円、当期は4,292百万円)したことに加え、前期計上の本社移転損失引当金繰入額697百万円が一巡した。これにより親会社株主に帰属する当期純利益は増益となった。なお営業資産残高に対する売上総利益率は同0.1ポイント低下して2.7%、ROA(総資産経常利益率)は同0.2ポイント低下して1.6%、ROE(自己資本当期純利益率)は同0.5ポイント低下して11.7%となった。
親会社株主に帰属する当期純利益(前期比56億円増益)増減要因分析では、売上総利益段階で26億円増加(差引利益の増加で108億円増加、資金原価の増加で82億円減少)、営業利益段階で43億円減少(人件費・物件費の増加で38億円減少、信用コストの増加で30億円減少)し、経常利益段階で12億円減少(持分法投資損益の増加で45億円増加、その他の営業外損益の悪化で14億円減少)したが、特別損益の改善で21億円増加、税金費用等の減少で31億円増加、非支配株主純利益の増加で16億円増加だった。
差引利益は国内不動産開発案件の減損を第4四半期に計上したものの、通期ベースでは国内リース事業と不動産事業の差引利益及び営業資産残高の伸長がけん引した。資金原価は国内金利上昇及び営業資産残高拡大に伴って増加した。販管費では経営基盤強化のための人件費・ITコストの増加に加え、TOB関連費用などが発生した。また信用コストは国内バイオマスプロジェクト関連の貸倒引当金を第3四半期に計上した。持分法投資損益はAircastleの業績が好調に推移したほか、日鉄興和不動産の持株比率増加(2025年5月に株式購入を実施して持株比率が15.29%から30.14%へ増加)も寄与した。特別損益では一部政策投資先の減損を計上した一方で、政策保有株式売却益や航空機事業におけるSPC株式売却益を計上した。税金費用等では、前期のAircastleに関わるCFC税制関連の繰延税金資産取崩しの影響が一巡した。
なお持分法投資損益の前期比45億円増加の事業分野別内訳は、国内リース事業が同40億円減の47億円(前期計上のジェコス株式取得にかかる負ののれん47億円が剥落)、不動産・環境エネルギー事業が同28億円増の73億円、海外・航空機事業が同56億円増の102億円(うちAircastleが同46億円増の59億円)、ファイナンス・投資事業が同1億円増の3億円だった。
国内リース事業、不動産事業の売上総利益が拡大
2. 事業分野別の動向
事業分野別(管理会計ベース)で見ると、売上総利益は国内リース事業が前期比30億円増の382億円、不動産・環境エネルギー事業が同13億円増の305億円(不動産事業が同15億円増の289億円、環境エネルギー事業が同2億円減の16億円)、海外・航空機事業が同10億円減の175億円(海外現法が同3億円増の135億円、航空機・船舶等が同14億円減の39億円)、ファイナンス・投資事業が同7億円減の27億円だった。契約実行高は国内リース事業が同1,809億円増の10,032億円、不動産・環境エネルギー事業が同224億円減の6,826億円(不動産事業が同48億円減の6,596億円、環境エネルギー事業が同176億円減の230億円)、海外・航空機事業が同193億円増の2,541億円(海外現法が同293億円増の2,339億円、航空機・船舶等が同100億円減の202億円)、ファイナンス・投資事業が同112億円増の448億円だった。営業資産残高は国内リース事業が前期末比622億円増の15,101億円、不動産・環境エネルギー事業が同982億円増の14,760億円(不動産事業が同293億円増の12,693億円、環境エネルギー事業が同689億円増の2,067億円)、海外・航空機事業が同64億円減の2,531億円(海外現法が同191億円増の1,250億円、航空機・船舶等が同255億円減の1,281億円)、ファイナンス・投資事業が同360億円減の1,607億円となった。
国内リース事業は優良な営業資産の積み上げにより売上総利益が順調に拡大した。不動産事業は、大型ブリッジ案件の終了などで営業資産残高の伸びがやや小幅にとどまったほか、第4四半期に国内開発案件の減損を計上したものの、売上総利益は順調に拡大した。環境エネルギー事業は、TOBを実施したジャパン・インフラファンド投資法人<9287>の連結取り込みによって営業資産残高が大幅に増加した。海外現法ではMizuho RA Leasingが堅調だった。
高い信用格付で財務の健全性を維持、資金調達を多様化
3. 財務状況
財務面を見ると、2026年3月期末の資産合計は前期末比277,195百万円増加して4,175,256百万円、負債合計は同224,221百万円増加して3,720,386百万円、純資産合計は同52,974百万円増加して454,469百万円となった。主に業容拡大に伴って営業資産残高が増加し、有利子負債残高が同195,987百万円増加して3,474,058百万円となった。有利子負債残高の内訳(構成比)は借入金(円貨)が60%、コマーシャル・ペーパーが16%、社債(円貨)が14%、外貨が8%、債権流動化に伴う支払債務が3%となった。純資産合計については親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加した。この結果、自己資本比率は同0.5ポイント上昇して10.3%となった。業容拡大に伴って有利子負債が増加するが、高い信用格付を維持していること、調達手段の多様化により安定的な資金調達を実施していること、自己資本比率が上昇傾向であることなどを勘案すれば、財務の健全性が維持されていると弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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