みずほリース Research Memo(4):売上総利益、営業資産残高は拡大基調
■事業概要
2. 事業分野別の推移
みずほリース<8425>は、決算短信・有価証券報告書ベースの報告セグメント区分とは別に、管理会計ベースの事業分野区分(国内リース事業、不動産・環境エネルギー事業、海外・航空機事業、ファイナンス・投資事業)の売上総利益、営業資産残高、契約実行高を公表しており、当レポートでは同社資料に基づき、事業分野別の区分によって分析・解説を進めていく。管理会計ベースの事業分野別売上総利益と構成比、営業資産残高と構成比、契約実行高と構成比の過去5期(2022年3月期~2026年3月期)の推移は以下のとおりである。同社は岩盤収益であるコア分野(国内リース、不動産)の着実な拡大を図りながら、成長性の高い環境エネルギー等のグロース分野やサーキュラーエコノミー等のフロンティア分野への事業展開を加速させているため、不動産・環境エネルギー事業及び海外・航空機事業の拡大が顕著であり、その結果として国内リース事業、不動産・環境エネルギー事業、海外・航空機事業が3本柱というバランスの取れた収益構造となっている。
全社ベースの売上総利益(2023年3月期までは差引利益)額は2022年3月期621億円から2026年3月期889億円へと拡大し、2026年3月期の構成比は国内リース事業43.0%、不動産・環境エネルギー事業34.3%、海外・航空機事業19.7%、ファイナンス・投資事業3.0%となった。事業分野別では、国内リース事業は構成比が2022年3月期58.3%から2026年3月期43.0%へと低下したが、金額は同362億円から同382億円へと拡大しており、安定成長している。不動産・環境エネルギー事業は金額が同138億円から同305億円へ、構成比は同22.2%から同34.3%へと大幅に上昇した。海外・航空機事業は金額が同94億円から同175億円へ、構成比は同15.1%から同19.7%へと上昇した。
全社ベースの営業資産残高は2022年3月期末24,166億円から2026年3月期末33,999億円へと拡大し、2026年3月期末の構成比は国内リース事業44.4%、不動産・環境エネルギー事業43.4%、海外・航空機事業7.4%、ファイナンス・投資事業4.7%となった。事業分野別では、国内リース事業は残高が2022年3月期末15,088億円から2026年3月期末15,101億円にやや減少し、構成比は同62.4%から同44.4%へと低下した。不動産・環境エネルギー事業は残高が同5,900億円から同14,760億円へ、構成比は同24.4%から同43.4%へと大幅に上昇した。海外・航空機事業は残高が同1,636億円から同2,531億円へ、構成比は同6.8%から同7.4%へと上昇した。
全社ベースの契約実行高(事業分野別契約実行高は2024年3月期より開示)は2023年3月期14,705百万円から2026年3月期19,847百万円へ拡大し、2026年3月期の構成比は国内リース事業50.5%、不動産・環境エネルギー事業34.4%、海外・航空機事業12.8%、ファイナンス・投資事業2.3%となった。事業分野別では、国内リース事業は契約実行高が2023年3月期9,465億円から2026年3月期10,032億円へ拡大したが、構成比は同64.4%から同50.5%へ低下した。不動産・環境エネルギー事業は契約実行高が同4,083億円から同6,826億円へ、構成比は同27.8%から同34.4%へと上昇した。海外・航空機事業は契約実行高が同707億円から2,541億円へ、構成比は同4.8%から同12.8%へと大幅に上昇した。
強固な顧客基盤、事業基盤、資金調達基盤、人材基盤が特徴・強み
3. 特徴・強み、リスク要因、対策
同社の特徴・強みとしては、みずほグループというわが国屈指の企業グループを中心とする強固な顧客基盤、優良アセットを積み上げた事業基盤、徹底したリスク管理、業界トップ水準の外部信用格付に基づく資金調達基盤、リース取引や金融サービスに関する豊富な知識・ノウハウを持つ人材基盤などがある。
リース業界における一般的なリスク要因としては、世界経済低迷や金利・為替の急激な変動等による企業の設備投資抑制、取引先の業績悪化・経営破綻等の信用コストの発生、保有するアセットの価値下落、金利上昇や信用格付等による資金調達への影響などがある。こうした需要変動リスク、信用リスク、アセットリスク、資金調達に係る流動性リスクや金利変動リスク、自然災害リスク等に対して、同社は経営への影響を低減するため、リスク管理グループ長が全社的な視点でリスクマネジメントを統括・推進するとともに、各リスク所管部門を通じてリスク事象に対して迅速かつ機動的に対応する体制を整備している。各リスク所管部門は事業に関連するリスクの把握・制御を適時に実施するとともに、実効性を検証する。さらにリスク管理委員会において、リスク低減に関する諸施策の遂行状況、浸透状況や有効性に関する検証を行い、その結果を取締役会に報告している。
同社の業績は資産売却、M&A関連費用、金利動向、信用コスト等で変動する可能性があるものの、強固な顧客基盤、事業基盤、資金調達基板、人材基盤を強みとして、コア分野が岩盤収益となり、全体としてのリスク極小化が図られていると弊社では評価している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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