フォーバル Research Memo(5):2026年3月期通期は、売上高・営業利益・経常利益で過去最高を予想
フォーバル<8275>の2026年3月期の連結業績は、売上高が前期比4.6%増の76,000百万円、営業利益が同9.6%増の4,100百万円、経常利益が同5.6%増の4,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同35.4%減の1,400百万円と、売上高・営業利益・経常利益で過去最高更新を目指す。親会社株主に帰属する当期純利益に関しては、特別損失(投資有価証券評価損)の計上影響により減益予想に修正された。
同社グループは、企業経営を支援する集団として、中小・小規模企業の利益に貢献することで顧客とのリレーションを強化し、ビジネスパートナーとしての確固たる地位を確立するとともに、ストック型の収益構造へのビジネスモデルの転換を図る。フォーバルビジネスグループでは、企業ドクターによる可視化伴走型経営支援サービスの第一人者として確固たる地位を確立することに注力する。「F-Japan戦略」を推進し、全国各地において産官学金との連携による企業ドクターの育成や支援、中小企業経営のための情報分析プラットフォーム「きづなPARK」の質的・量的拡充による可視化の推進、中小企業に対するスコアリングの実現など、事業基盤の強化を図る。フォーバルテレコムビジネスグループでは、電力サービスでの原料調達価格の動向が売上に反映されるが、利益は仕入れに影響を受けずに契約件数増に伴って増加する。総合環境コンサルティングビジネスグループでは、企業向けの住宅用太陽光発電システムの拡販やLED工場の生産性向上・仕入れ工夫などに引き続き取り組む。人的資本経営は、子会社アイテックの人材教育事業を中心にオーガニックに成長するとともに、前期に連結化したタニタヘルスリンクやエフピーステージとのシナジーも期待できる。
事業環境は、中小・小規模企業のDX投資が堅調であることに加え、全国的なIT人材不足などが継続しており、地方で産官学金連携によるGDX支援を推進する同社には追い風である。また、生成AI教育などに領域を拡張している人材教育事業、契約件数が伸びる電力サービスなどにも成長力がある。進行期の減速要因となった、連結子会社エルコム(前期特需の反動)、総合環境コンサルティングビジネスグループ(海外からの太陽光パネル供給問題)なども解消に向かっており、期末までにどこまでリカバリーできるかがカギとなる。通期の営業利益計画に対する第3四半期進捗率は51%だが、過去には44%(2023年3月期)だった期もあり、第4四半期偏重の利益構造からすれば、十分計画達成が可能な水準である。
■成長戦略・トピック
地産地消のDX・GX支援を全国へ。地場提携と生成AI活用で加速する伴走型経営支援
1. 「F-Japan戦略」
同社が推進する「F-Japan戦略」は、地域でDX・GX人材や支援する企業が育ち、地域内で需給が完結する“DX・GXの地産地消”を目指している。「産」「官」「学」「金」連携が基本であるが、中小・小規模企業サポートの実効性のある支援においては「産」の重要性は高い。同社は地域ごとに拠点を設けており、現時点では40弱の都道府県に拠点ができた。全国を自社の経営資源で賄うことが難しいため、特に地方エリアでは積極的に地場企業との提携を推進している。直近では、NO MARK(沖縄、2026年2月)、東成瀬テックソリューションズ(秋田、同年2月)、みらい(中四国、同年3月)と提携が成立した。同社では、できるだけ早い時期に47都道府県における“DX・GXの地産地消”体制を整えたいと考えている。
2. 教育分野・実装分野・伴走支援分野で生成AI活用が進む
同社の教育分野・実装分野・伴走支援分野で生成AI活用が着実に進んでいる。子会社のアイテックでは2024年12月から「生成AI研修サービス」を開始しており、中堅・大手企業への支援サービスで実績を積んできた。2026年1月にはGUGA認定を受け、生成AI知見を人材育成に活用する体制を強化した。同社グループのうち、システム開発を本業とする企業では、プログラム開発の90%以上の業務をAIが行う体制に移行したという事例も出てきた。主力の中小・小規模企業向け可視化伴走型経営支援サービスにおいても、今後さらに生成AIを業務に活用する支援ニーズは増えることが予想され、既存のDX支援と親和性が高い生成AI活用は厚みが増そうだ。
■株主還元策
2026年3月期は、配当金31.00円予想(期初から変更なし)
同社は、配当による株主への利益還元を重要な経営課題の1つとして認識している。今後の事業計画や財務状況など、中長期的観点から内部留保と安定した成果配分、双方のバランスに配慮して配当金を決定する方針であり、配当性向は公約していない。同社は、安定的な利益成長を背景に増配を続けており、過去10期の配当金は増配または同額、配当性向は30%以上である。2026年3月期は一過性の特別損失計上の影響で親会社株主に帰属する当期純利益が減速するものの、配当に関しては期初予想を据え置き、配当金31.00円(前期比1.00円増配)を予想する。配当性向では57.8%となる予定だ。
また同社では、株主への感謝と同社株式の投資魅力を高めて株主を増やすことを目的に、株主優待制度を設けている。毎年9月30日現在で1単元(100株)以上を保有する株主に電子マネーギフト2,000ポイント(2,000円相当)を贈呈しており、株主から好評を得ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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