フォーバル Research Memo(4):可視化伴走型経営支援を軸に、中小企業・自治体のGDX・ESG支援(2)
4. フォーバルテレコムビジネスグループ
フォーバルテレコム<9445>を中心にVoIP(高速ブロードバンドインターネットや回線を利用した音声通話サービス)・FMC(サービス名「どこでもホン」)などのオリジナル通信サービス、インターネット関連サービス、普通印刷及び保険サービスなどを提供する。また、一括請求するワンビリングサービスを通じて企業のコスト削減や事業効率向上を支援している。直近では、光回線サービスやISPの拡大ペースが落ち着き、電力サービスにも力を入れている。
2026年3月期第3四半期は、電力サービスでの売価の低下等により売上高が17,227百万円(前年同期比0.1%減)となったものの、電力サービスの契約件数の堅調な伸びによりセグメント利益が923百万円(同12.2%増)となった。
5. 総合環境コンサルティングビジネスグループ
総合環境コンサルティングビジネスグループは、アップルツリーがスマートグリッド設備機器の商社事業(オール電化、蓄電池、HEMS)のほか、太陽光発電システム(住宅用、産業用)の設計、施工、販売事業を展開している。太陽光発電システムに関しては、2017年4月の再生可能エネルギー電気の利用に関する特別措置法改正(改正FIT法)の影響を受け停滞期に入ったが、直近では自家発電用途の産業用太陽光発電システムが復調の兆しを見せている。それ以外にもLED照明や蓄電池、住宅用太陽光発電システムなどの環境関連商品・サービスを積極的に拡販しており、事業構造が安定してきた。LED照明については、国内に高品質な製品を生産する工場を持つ。総合環境コンサルティングビジネスグループは、中小・小規模企業のESG経営を支援する同社にとって、E(Environment)に関連する戦略的な事業セグメントでもある。2024年3月期以降は黒字転換を実現し、利益回復期から成長期に移行している。2026年3月期第3四半期は、太陽光パネルの供給制約の影響等を受けて太陽光発電システムが減少し、売上高が3,910百万円(前年同期比21.8%減)、セグメント損失18百万円(前年同期はセグメント利益132百万円)となった。
6. 人的資本経営
人的資本経営は、顧客企業の人的資本経営をサポートする戦略的セグメントである。中核企業のアイテックは、人材・教育分野の強化のため、通信教育事業、書籍の出版・販売事業を手掛ける旧 アイテックと、IT分野のエンジニア及び管理者の育成、東南アジアにおける現地幹部候補・留学生の人材紹介・派遣などを行う(株)クリエーティブソリューションズが2018年4月に合併して誕生した。旧 アイテックはe-learningでのサービス提供に強みがあり、情報処理技術者や個人情報保護士の養成を得意としていた。クリエーティブソリューションズは大手通信会社などを顧客に持ち、安定した需要が特徴であった。2020年7月にはシステム企画・設計を得意とするカエルネットワークス(株)(現 フォーバルカエルワーク)を完全子会社化し、2024年5月には健康経営を支援するタニタヘルスリンク及びファイナンシャルプランナー教育のエフピーステージを子会社化した。これまで、人材教育事業、IT人材の派遣やシステム企画・開発事業がけん引し、M&Aによる新戦略も加わって順調に業績を伸ばしてきた。2026年3月期第3四半期は、セミナーなどの教育事業や前期中に連結に加わったグループ会社が寄与し、売上高が2,511百万円(前年同期比13.2%増)、人的資本関連強化のための先行投資増の影響でセグメント利益が196百万円(同0.6%減)となった。
■業績動向
2026年3月期第3期四半期は、可視化伴走支援好調で本業堅調。純利益は一過性損失で減速
● 2026年3月期第3四半期の業績概要
2026年3月期第3四半期の連結業績は、売上高が前年同期比0.8%減の51,555百万円、営業利益が同10.3%減の2,102百万円、経常利益が同6.3%減の2,320百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同75.5%減の335百万円となり、売上高では前期並み、営業利益・経常利益は微減で推移する。四半期純利益は投資有価証券評価損(794百万円)を計上した影響を受けた。
売上高に関しては、フォーバルビジネスグループと人的資本経営がけん引し、微減ながら堅調に推移した。主力のフォーバルビジネスグループの売上高は、前年同期比1.5%増の27,905百万円を計上している。グループ会社のエルコムの新紙幣発行に伴う特需の反動減の影響は残るものの、「F-Japan戦略」に伴う可視化伴走型経営支援サービスが堅調に推移した。フォーバルテレコムビジネスグループは、電力サービスにおける売価低下の影響を受け減収となった。総合環境コンサルティングビジネスグループは、太陽光パネルの供給制約の影響等を受けて減収となった。人的資本経営は、セミナーなどの教育事業や新たに連結に加わったグループ会社が寄与し増収を確保している。
利益に関しては、売上総利益が前年同期比819百万円増(前年同期比4.5%増)となった一方で、販管費は、事業拡大に伴う人員増強や情報処理費、地代家賃や旅費交通費の増加の影響等で、同1,060百万円増(同6.6%増)となった結果、営業利益が減益となった。同社は第4四半期偏重の利益構造があり、現時点でおおむね同社が想定した範囲内での推移と捉えている。なお、親会社株主に帰属する四半期純利益は、保有するベンチャー系上場企業の投資有価証券評価損(794百万円)を反映して減益となったが、キャッシュアウトを伴わない会計上の処理となる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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