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富士紡HD Research Memo(4):非繊維分野への成長事業で高収益体質企業へ(2)


富士紡ホールディングスは中期経営計画「増強21-25」において「顧客に選ばれるニッチナンバーワン」を掲げ、高収益事業への転換を図っています。この「ニッチナンバーワン」には、事業領域での特定のニッチポジションと、顧客ニーズに応じた高いシェアの獲得という二つの意味があります。具体的には、研磨材事業での独自のソフトパッドによる技術革新や、化学工業品分野での小ロット製品の受託生産による市場独占が挙げられます。また、同社は売上規模ではなく、利益の追求を重視し、2006年以降の事業構造改革を経て高収益体質へと転換しました。元々の繊維技術を応用し、フィルムや不織布技術への発展も促進しています。

*12:04JST 富士紡HD Research Memo(4):非繊維分野への成長事業で高収益体質企業へ(2) ■会社概要

3. 特長と強み
(1) 顧客に選ばれるニッチナンバーワン
富士紡ホールディングス<3104>の中期経営計画「増強21-25」のあるべき姿の「顧客に選ばれるニッチナンバーワン」が特長及び強みである。「ニッチナンバーワン」には2つの意味があり、1つは一般に使われる「事業領域でのニッチポジション」、もう1つは「顧客のニーズにきめ細かく対応することで高いシェアを獲得するという意味でのニッチ」と称している。研磨材事業では、欧米トップシェア企業のデファクトスタンダード(標準化)戦略に対して、同社は独自開発のソフトパッドにより“小さな池で大きな魚になる”ことに成功している。また、化学工業品事業でも、大手化学メーカーが自社生産しない小ロット品の中間体製品の受託生産で「ニッチナンバーワン」ポジションを築いている。

(2) 利益重視
同社は、「売上規模は追求しない。利益重視」を徹底している。この背景には、2006年から始まった「事業構造改革」を実践した経験が生かされている。実際に、旧 繊維事業は2006年には売上高500億円からリーマンショックの2008年には300億円まで縮小した。その間、合理化と構造改革を推進し、複数の工場を閉鎖して赤字体質から脱却した。今では営業利益率10%台(2023年3月期下期から2024年3月期上期までの半導体不況期は除く)を達成し、高収益事業へ見事変身した。このストーリーを経営層や現場の幹部が体現しているので、新しい経営体制への移行後も、経営の軸はブレないと弊社では見ている。

(3) 繊維技術から派生した技術を応用
レーヨン技術の延長線上でフィルム加工技術や不織布技術へと発展してきた同社の技術は、元々繊維関連がベースである。研磨材(ソフトパッド)は、高分子材料加工技術(ポリウレタン樹脂)、フィルム加工技術を活用したものである。一方、化学工業品もレーヨン材料(二硫化炭素)の製造工場から発展したものである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)


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