SMK Research Memo(7):構造改革プログラムにより、事業の選択と集中、徹底した固定費削減を推進中
SMK has launched a structural reform program to boost sustainable growth and profitability, aligning with its long-term vision "SMK Next100"through 2036. This strategy focuses on high-frequency and algorithm technologies to develop high-value products. By 2036, SMK aims for ¥150 billion in sales, 10% operating margin, and 10% ROE. The mid-term goals for 2027 are ¥60 billion in sales, 3.5% operating margin, and 5% ROE. The company is concentrating resources on profitable sectors and optimizing workforce. Investments in the growing CS business, especially in automotive markets like EVs, and new advancements in the sensor business, like SyncBolt® for wind turbines, are key focuses. Plans include a new office in India to tap into its expanding market.
1. 構造改革プログラムをスタート(2025年3月~)
SMK<6798>は、2024年5月に、次の100年のスタートを機に長期ビジョン及び中期経営計画「SMK Next100」を策定し、推進中である。長期ビジョンは10期後に当たる2036年3月期を想定し、ありたき姿として「あらゆるニーズを実現する“ものづくり力”で、次の100年に貢献する。」を掲げた。同社の原点である、エレクトロニクスを活用したものづくりによって、顧客や社会の課題を解決する自信と責任を明確にしたものである。これまでのものづくりの蓄積を継承するとともに、今後は高周波技術やアルゴリズム技術を活用して付加価値の高い製品サービスを開発・提供する。業績目標としては、2036年3月期に売上高で1,500億円、営業利益率で10.0%、ROEで10.0%を目指す。また10年ビジョンの達成のために、3ヶ年の中期経営計画「SMK Next100」を策定し、持続的成長に向けた構造改革を加速させる期間と位置付けた。最終年度の2027年3月期の業績目標は、売上高で600億円、営業利益率で3.5%、ROEで5.0%とした。
一方で、CS事業は好調に推移しているものの低成長に留まり、SCI事業は顧客の在庫調整等の長期化もあり、イノベーションセンターでは新製品・新規ビジネス化が遅れ損失が継続している。この状況を改善すべく、これまでも様々な取り組みを行ってきたが、より抜本的な取り組みにより、構造改革を加速させることが必要と判断した。構造改革プログラムでは、各事業部の不採算製品の撤退・縮小を進め、採算性や効率性の高い分野へリソースを集中していくとともに、管理部門の規模適正化を進めることで売上・利益の成長軌道への回帰を加速度的に進める。
2. 構造改革プログラム(1):成長に向けた事業戦略の加速
エレクトロニクス・電子部品分野の成長を踏まえ、より成長性の高いCS事業への資源投下を強化し、SCI事業について製品群を見直し、不採算分野の縮小を通じ、利益体質への転換を図るとともに、センサー・センシングビジネスを新たな柱として注力する。イノベーションセンターについては、ヘルスケア分野に注力しつつ、コスト管理を徹底しつつ早期の事業化を図る。CS事業部では、最重要市場を車載と位置付け、EV、E-Bikeを含めた分野で拡大を図る。また、情報通信市場、再エネルギー市場も開拓する。地域展開では、成長が期待されるインド市場を開拓すべく事務所を開設する計画である(後述)。SCI事業部では、タッチセンサー事業からの撤退、コア事業(リモコン、スイッチ、ユニット)の維持・拡大、センサー・センシングビジネスの育成に取り組み、黒字体質を定着させる。
3. 構造改革プログラム(2):同国内人員数の最適化
同社では、2025年4月に、売上・利益を伴った成長を実現する人員・人件費構造の構築、日本国内の従業員数の適正化、社員配置の最適化を実施するため、希望退職を募集した。当初の計画では、100人程度(全体の10%程度)を想定していたが、実施結果としては、118人の応募となった。希望退職者には割増退職金または転進支援金及び再就職支援にかかわる費用が発生するため、事業構造改革費用(特別損失)として853百万円が既に計上された。また、2026年3月期予想の中で、約5億円の固定費削減効果を織り込んでいる。
4. 最新トピック
同社では、2025年12月を目途に、デリーにインド駐在員事務所を開設し、インド市場のさらなる開拓を目指す。車載を重点市場としてコネクタの拡販を強化し、二輪、四輪のローカル顧客の獲得を目指す。インドでは、自動車市場の成長性が高く、現地メーカーのシェアが高い。
SCI事業部では、センサー・センシングビジネスを新たな柱として注力する。この分野で成長のドライバーとして期待される商品として、SyncBolt(R)(ボルト軸力監視システム)がある。このIoTデバイスは、主に風力発電機のタワー連結ボルトの軸力(緩み)をリアルタイムに計測し、クラウドサーバーへデータを自動送信することができる。パッケージ提供される監視システムと連携することで、遠隔地からでも24時間体制でボルトの状態を継続的に監視することが可能となる。風力発電インフラの安心・安全は社会課題であり、解決が求められている背景もあり、風力発電市場の拡大とともに大きな需要が期待できる。同社では、2027年3月期からのサービスインに向けて準備を進めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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