SMK Research Memo(1):2025年3月期中間期は増収・営業利益は黒字転換。足元の事業環境は良好
SMKは、コネクタやスイッチ、リモコン、カメラモジュールなどの電子部品を製造・販売する企業で、2025年4月に創立100周年を迎える。2025年3月期中間期(第2四半期)の業績は、売上高が前年同期比2.3%増の23,614百万円となり、営業利益は108百万円(前年同期は177百万円の損失)で黒字転換した。CS事業部が成長を牽引し、スマートフォンや再生エネルギー関連市場が活況であった。2025年の通年の業績は売上高48,000百万円と3.2%増、営業利益200百万円と回復を見込む。 新中期経営計画「SMK Next100」を推進し、2036年3月期に売上高1,500億円を目標として持続的成長を図る。2025年3月期には40.0円の記念配当を含む年間配当金140.0円を見込む。
SMK<6798>は、コネクタ/スイッチ/リモコン/カメラモジュールなどの様々な電子部品を世界で製造・販売する総合電子部品メーカーである。2025年4月で100周年を迎える歴史ある企業であり、日本のものづくりを支える重要な役割を担っている。グローバルな厳しい競争環境下にある電子部品業界において、顧客企業とのパートナーシップにもとづく高機能・カスタム製品を武器に勝ち残ってきた。日本・米国・欧州・中国・アジアの16地域に製造・販売の拠点を持ち、海外売上高比率67.0%(2024年3月期)である。
1. 2025年3月期中間期の業績概要
2025年3月期第2四半期(以下、中間期)の連結業績は、売上高が前年同期比2.3%増の23,614百万円、営業利益が108百万円(前年同期は177百万円の損失)、経常利益が同93.3%減の74百万円、親会社株主に帰属する中間純損失は287百万円(同1,010百万円の利益)となり、増収・営業利益は黒字転換となった。売上高は、CS事業が前年同期比1,170百万円増となり、全社の増収をけん引した。CS事業では車載市場(カメラ関連、E-Bike関連)、情報通信市場(スマートフォン関連、タブレット関連)、産機市場(再生エネルギー関連)、SCI事業では家電市場(リモコン)が好調だった。利益面では、売上総利益が前年同期比14.3%増加した一方で、販管費は同7.0%増と一定の伸びに抑えた。セグメント別では、CS事業部のセグメント利益が好調だったのに対し、SCI事業部及びイノベーションセンターは損失となった。経常利益は円高による為替差損466百万円を計上した。親会社株主に帰属する中間純損失は、法人税等の支払いや減損損失など費用計上により287百万円の損失となったが、期初予想値400百万円の損失にはならなかった。
2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の連結業績は、売上高が前期比3.2%増の48,000百万円、営業利益が200百万円(前期は1,243百万円の損失)と、売上高・営業利益ともに回復を予想する。2024年10月に売上高は期初予想から下方修正したが、各利益は上方修正した。売上高は、円ドル相場を期初予想から5円の円高としたこと、SCI事業関連で市況の回復が遅れていることなどから下方修正した。CS事業部の売上高は同12.5%増の23,158百万円と全社の成長をけん引する。SCI事業部及びイノベーションセンターは減収を予想する。営業利益は、上期の改善を反映した予想にしている。セグメント別では、CS事業部が同62.1%増の1,775百万円と大幅な増益を予想する。増収効果に加え、プロダクトミックス改善、生産性向上が進むことが増益の主因となる。SCI事業部、イノベーションセンターは損失予想である。同社業績に対する顧客の在庫調整の長期化、エネルギー価格の高騰、円高の急激な進行などのマイナス要因は足元で発生しておらず、2025年3月期の全社業績目標は十分達成可能であると弊社では考えている。
3. 成長戦略・トピック
同社は、2025年4月に創立100周年を迎える。次の100年を見据え、長期ビジョン(2025年3月期~2036年3月期)及び新中期経営計画「SMK Next100」(2025年3月期~2027年3月期)を策定し、推進中である。長期ビジョンでは、これまでのものづくりの蓄積を継承するとともに、今後は高周波技術やアルゴリズム技術を活用して付加価値の高い製品サービスを開発・提供する。業績目標は、2036年3月期に売上高で1,500億円、営業利益率で10.0%、ROEで10.0%を目指す。また10年ビジョンの達成のために、新中期経営計画「SMK Next100」を策定し、持続的成長に向けた構造改革を加速する期間と位置付けた。2027年3月期の業績目標は、売上高で600億円、営業利益率で3.5%、ROEで5.0%である。
4. 株主還元策
新中期経営計画期間中は、事業環境の変化に対応するための財務健全性の維持を前提に、株主資本配当率(DOE)2%程度を目途とした配当を目指している。2025年3月期は、前期比40.0円増の1株当たり配当金140.0円を予想する。2025年4月に創立100周年を迎えるため、40.0円の記念配当が追加された。
■Key Points
・2025年3月期中間期はCS事業がけん引し、増収・営業利益は黒字転換
・2025年3月期は増収増益を見込む。各利益予想は上方修正。足元の事業環境は良好
・新中期経営計画「SMK Next100」を推進中。持続的成長に向けた構造改革を加速し、2027年3月期に売上高600億円、営業利益率3.5%の達成を目指す
・2025年3月期は記念配当40.0円追加し、年間配当金140.0円を予想
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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