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レンティア Research Memo(8):中期経営計画の数値目標達成は容易でないが、定性的な体質改善は進んでいる


コーユーレンティアは2024年12月期を初年度とする中期経営計画「Next Evolution 26」を発表しました。計画では2026年12月期に売上高329億円、営業利益30億円を目標にしています。しかし、利益目標の達成は容易ではありませんが、人的資本の充実やESG経営の深化など、定性的な改善が進んでいます。特に「人的資本の充実」では、生成AI研修やエンゲージメントサーベイを実施し、社員の育成を進めています。また、環境への取り組みとして、グループ全体での「Scope 3」算定完了やカーボンオフセット実施などを行っています。さらに、能登半島地震への支援活動や中学生の企業見学受け入れなど、社会貢献活動にも注力しています。

*16:08JST レンティア Research Memo(8):中期経営計画の数値目標達成は容易でないが、定性的な体質改善は進んでいる ■中長期の展望と成長戦略

1. 中期経営計画の概要
コーユーレンティア<7081>では、2024年12月期を初年度、2026年12月期を最終年度とする中期経営計画(Next Evolution 26)を発表している。計画の概要は、以下のとおりである。

(1) 定量的目標
2026年12月期に売上高329億円、営業利益30億円(営業利益率9.1%)を掲げている。

(2) 重点方針
ESG経営を深化する新規事業の創出と経営基盤の強化に取り組むとともに、将来に向けた人的資本の充実を加速する。主な重点方針として、以下の3つを掲げている。

1) 新規事業の創出(市場、商品/サービス)
・建設市場:DX関連商品やサービスの拡大
・オフィス市場:新規レンタル需要開拓、オフィス向けソリューションサービスの拡大
・アライアンスパートナーの拡大

2) 経営基盤の強化
・物流DX推進(ロジスティクス機能の強化及び刷新等)
・バックオフィス業務の簡素化、デジタル化
・リスクマネジメントの徹底、コンプライアンス意識の向上

3) 人的資本の充実
・人事制度の再構築
・教育体系の整備
・誰もが働きやすい環境、風土の醸成

2. 中期経営計画の進捗状況
中期経営計画の進捗状況を見ると、売上は順調にきているが、利益の達成は容易ではないようだ。一方で、定性的な目標に対しては着実に進んでいるようだ。特に「人的資本の充実」においては、以下のような進捗が見られる。

(1) 人的資本の充実1:人材戦略と2024年12月期の取り組み
同社グループでは、実効性のある施策の立案と、持続的運用により人的資本の充実を図るため、「企業価値の向上」と「社員エンゲージメントの向上」を掲げている。

(2) 人的資本の充実2:「生成AI研修」・「エンゲージメントサーベイ」を実施
急速に進化するデジタル技術への対応や、社員エンゲージメントの向上を図るため、全社員を対象にした「生成AI研修」(2024年8月~)及び「エンゲージメントサーベイ(従業員意識調査)」(2024年6月)を実施した。これにより、人材の育成と定着を推進し、継続的な事業成長と企業価値の向上を目指す。

(3) 人的資本の充実3:定量目標の進捗
同社グループでは、「人的資本の充実」において、「定量目標」(同社単体)を定めている。

3. ESG経営とトピックス
(1) ESG経営:グループ6社の「Scope 3」算定を完了
同社グループでは、ESG経営を深化するための施策として、環境に与える負荷を可視化し、継続的改善を図っている。FF&Eのレンタル・販売を核とした環境創造型企業として、未来との共生を目指す。

(2) トピックス1:「環境」
環境負荷の削減を目指し、様々な環境活動に取り組んでいる。

1) 仙台市の「エコにこゴールドマイスター」に認定
同社グループでは東北支店を中心に、2022年より仙台市の「エコにこマイスター」の認定制度に参加。ごみ減量やリサイクル、食品ロスへの積極的な活動が評価され、同市の「エコにこゴールドマイスター」に認定された。
2) 檜原村の枝打ち
グループ創業60周年で植林した記念樹の草刈りや枝打ちを通じて、環境活動を実践している。(実施日:2024年11月)
3) 排出したCO2をカーボンオフセット
レンタル商品を配送する主要トラックのCO2排出量を算定し、カーボンオフセットを実施した。(2024年実績1,000t)

(3) トピックス2:能登半島地震への支援
2024年1月1日に発生した能登半島地震の支援として、以下のような活動を行った。

1) レンタル品の寄贈
(一社)ジャパン・レンタル・アソシエーション(什器備品レンタルの業界団体)を通じて、レンタル商品を現地に手配した。
2) 社員ボランティアの派遣
社員の有志を募り、ボランティアとして、家屋の片付けやがれきの撤去を支援した。
3) 被災地域への寄附
「令和6年度 企業版ふるさと納税」を通じて、石川県珠洲市、能登町に寄付した。

(4) トピックス3:中学生の企業見学
同社グループのONEデザインズでは中学生や高校生による「企業訪問」の受け入れを実施(2024年9月、12月、5~8名/回)。デザイン会社ならではのクリエイティブな発想や空間演出における事業紹介を通じ、「社会」や「働くこと」の理解を深める「キャリア教育」に貢献した。

ONEデザインズは、2014年に設立された。東京都港区に本社を置き、マンションの販売拠点の設営からインテリア、オプション品の引き渡しまでワンストップで提供している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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