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GMOメディア Research Memo(8):潤沢な手元キャッシュをM&A含めた成長投資と株主還元に充当


GMOメディアは、2024年12月期末において資産が増加し、特にGMO趣味なびの子会社化でのれんが増加したことやソフトウェア資産の増加が目立ちます。負債はやや減少したものの、純資産は過去最高を更新しました。自己資本比率も向上しており、財務の健全性は高いと評価されます。収益性も順調で、ROAやROEが4期連続で上昇しています。今後は、余剰キャッシュを活用したM&Aを積極的に推進する方針で、特に成長が期待される学びや美容医療分野でのシナジーを狙った事業拡大を目指しています。手元キャッシュを基に投資案件を慎重に選定し、事業の成長につなげる計画です。

*14:38JST GMOメディア Research Memo(8):潤沢な手元キャッシュをM&A含めた成長投資と株主還元に充当 ■業績動向

3. 財務状況と経営指標
GMOメディア<6180>の2024年12月期末の資産合計は前期末比393百万円増加の5,864百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現金及び預金と関係会社預け金の合計が74百万円減少した一方で、売掛金が35百万円増加した。また、固定資産はGMO趣味なびの子会社化でのれんが253百万円増加したほかソフトウェアが73百万円(GMOリピータス、キレイパスコネクトの開発費を資産計上)、投資有価証券が67百万円それぞれ増加した。

負債合計は前期末比18百万円減少の3,049百万円となった。未払法人税等が21百万円増加したほか趣味なびの有利子負債24百万円を計上した一方で、ポイント引当金が51百万円減少した。また、純資産合計は同412百万円増加の2,814百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益571百万円の計上及び配当金支出182百万円により利益剰余金が388百万円増加した。純資産は過去最高水準(2018年12月期:2,487百万円)を6期ぶりに更新したことになる。

経営指標については、経営の安全性を表す自己資本比率が収益増に伴って47.6%と前期末比で4.1ポイント上昇した。実質無借金経営で現金及び預金と関係会社預け金の合計が3,203百万円と潤沢であることから、財務の健全性は高いと判断される。収益性についてもROA(総資産経常利益率)、ROE(自己資本当期純利益率)、売上高営業利益率ともに4期連続で上昇している。コロナ禍以降、投資育成事業として先行投資を行ってきた業界特化型事業が収益フェーズに入ってきたことが主因と考えられる。

キャッシュ・フローの状況を見ると、2024年12月期の営業活動によるキャッシュ・フローは500百万円の収入となり、投資活動によるキャッシュ・フローは399百万円の支出となった。主な投資として、GMO趣味なびの株式取得(出資比率75.1%)で232百万円、ソフトウェア資産の取得で89百万円、投資有価証券の取得で75百万円となった。同社は、設備投資など多額の資金需要が掛からない。このため、今後は事業拡大に向けてM&Aも積極的に推進する方針だ。学びや美容医療などの成長領域でシナジーが見込める企業を対象に、基本的には手元キャッシュの範囲内で投資を実行すべく案件の精査を進める方針である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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