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ピクスタ Research Memo(4):出張撮影サービスのfotowa事業はニューボーンフォトが七五三と並ぶ柱に成長


■事業内容

2. fotowa事業の概要
『fotowa』とは、ピクスタ<3416>が展開する出張撮影プラットフォームのブランドだ。同社が運営する『fotowa』サイト上において、登録フォトグラファー(全国約1,000人)と個人利用者をマッチングさせて、利用者が希望する場所及びシチュエーションにおいて登録フォトグラファーが撮影するサービスだ。

『fotowa』が狙うのは、撮り下ろし市場の中でも街中の写真館における撮影の市場だ。この市場は子供の成長やイベントに合わせた家族写真が主体のため、「子供写真館市場」とも呼ばれている。この市場は少子化にもかかわらず右肩上りが続いており、足元では700億円以上の市場規模があると推定される。出張撮影のニーズは子供関連にとどまらず、成人からシニア層まで幅広く存在していることから、出張撮影サービスの潜在市場規模は、掘り起こし方次第では子供写真館市場の規模を大きく上回り、数千億円に達するという見方もある。

『fotowa』はこの市場において、以下の3つの強みで切り込んでいる。1つ目は「場所を自由に選べるのでナチュラルでおしゃれな写真が期待できること」だ。写真館の撮影は画一的なテイストのフォーマルな写真であることがほとんどだが、『fotowa』は全47都道府県でサービスを提供していることも強みとなっている。2つ目は「わかりやすい一律料金」だ。平日19,800円、土日祝日23,800円(税抜)となっており、登録フォトグラファー指名料や出張料込みのため、追加料金などは発生しない仕組みとなっている。3つ目は「写真データを受け取れること」だ。60分の撮影で、枚数も原則75枚以上が保証されている点も安心だ。

収益モデルはごくシンプルで、同社は既述の撮影料の一部(現状は35%に設定)をコミッションという形で受け取るものとなっている。fotowa事業の売上高にはこのコミッション分が計上されている(いわゆるネット収入の計上ということ)。したがって利益率が非常に高くなる潜在力がある。

2019年12月期の撮影件数は、13,151件(前期比56.2%増)となり、第4四半期の悪天候(台風)や消費増税の影響を受けたものの、高い成長を維持した。また近年は、新生児のための“ニューボーンフォト(新生児の誕生時期の写真)”が第2の柱として成長してきた。新生児の誕生は1年を通じて安定していることから、『fotowa』の最大需要である七五三(10月~11月に該当)以外にも需要が見込める点も強みとなる。また、ニューボーンフォトを経験した顧客層は、その後のお宮参りや誕生日などでリピーターとなる傾向が明確に出ているもようで、この点でもポテンシャルの高い需要分野として期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)




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