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ビューティ花壇 Research Memo(5):単価下落の影響や競争激化により業界淘汰が加速される可能性が高い


■市場環境

ビューティ花壇<3041>の主力である「生花祭壇事業」の業績は、全国の葬儀件数や1件当たりの葬儀業売上高との相関性が高い。2012年から2016年の年間死亡者数、葬儀件数、葬儀業売上高の推移を見ると、年間死亡者数は年平均0.8%と年々緩やかに増加しているなかで、それに連動して葬儀件数や葬儀業売上高もわずかながら拡大傾向している。年間死亡者数が増加しているのは、高齢者人口が増加していることが背景にあるが、人口構成から判断すると今後も1ケタ台前半の伸びが続くものと考えられる。

一方、1件当たりの葬儀業売上高は、2012年の1,407千円から2016年の1,430千円とほぼ横ばいで推移している。消費者の意識の変化による葬儀の小規模化(簡素化)に加え、比較的参入障壁が低い業界であるがゆえに、異業種からの参入や、低価格パッケージを売りとしたフランチャイズ・チェーンの出現など、市場競争が激化していることが要因である。したがって、今後、企業体力や経営効率に勝る大手を中心として再編が進展することが予想される。また、最近では受注件数の増加策として、ネット受注の強化や直葬への対応が益々重要となっているようだ。

同社のような生花祭壇業を営む事業者は、地域に密着した中小・零細規模の専業者が多いほか、大手の葬儀関連会社が内製化しているところもみられる。前述した葬儀関連業界における環境変化は、当然ながら生花祭壇事業者へのしわ寄せや交渉力にも影響を与え、業界淘汰が加速される可能性が高い。

また、「生花卸売事業」の業績に影響を与える生花(切り花)取扱金額と本数の推移については、2012年からおおむね横ばいで推移してきた。ただ、本数については、2013年から円安による仕入原価の高騰などの影響もあり減少傾向となっている。一方、取扱金額については、2015年から菊類の単価向上により増加している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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