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為替相場をにらみながらの展開【クロージング】


20日の日経平均は6営業日続落し、111.68円安で終了。円安進行による自動車などの輸出関連株の買いで反発スタートしたものの、加藤財務相の円安けん制発言により、短期筋の先物売りが増加し、後半に下げに転じました。銀行や空運など24業種が値下がりした一方、不動産や建設など9業種が上昇。植田総裁の利上げに関する慎重な姿勢が円安を進行させ、取引は円相場や米国の経済指標による影響を受けた展開に。市場では円安の持続性が注目されています。

*16:39JST 為替相場をにらみながらの展開【クロージング】 20日の日経平均は6営業日続落。111.68円安の38701.90円(出来高概算27億1000万株)で取引を終えた。日銀の植田和男総裁の記者会見を受けた円安進行を受けて、自動車など輸出関連株の一角などに買いが入り、日経平均は反発スタート。前場終盤には39039.68円まで上値を伸ばした。ただ、加藤勝信財務相が「投機的な動向を含め、為替市場の動向を憂慮している」などと円安けん制発言をきっかけに、短期筋の先物売りなどが散見され、日経平均は後場中盤に向けては下げに転じた。その後は前日の終値水準を挟んだ動きが続いた。

東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄数1000を超え、全体の6割超を占めた。セクター別では、不動産、石油石炭、輸送用機器、建設など9業種が上昇。一方、銀行、その他製品、空運、海運、精密機器など24業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、TDK<6762>、住友不<8830>、トヨタ<7203>、オリンパス<7733>がしっかりだった半面、ソフトバンクG<9984>、アドバンテス<6857>、東エレク<8035>、信越化<4063>が軟調だった。

植田総裁が前日の会見で「利上げ判断にはもうワンノッチ欲しい」と述べ、「春闘の情報などが必要」など語ったことから、来年1月の金融政策決定会合でも利上げは難しいのではないかと受け止められ、円相場が1ドル=158円台目前まで円安が進んだ。ただ、業績懸念から前日の米国市場でマイクロン・テクロノジーが急落したため、アドバンテスなど半導体関連株の一角が下落し、日経平均の重荷となった。

米国では20日、11月の個人消費支出(PCE)物価統計が発表される。市場予想より、強い結果となれば、米国の利下げ期待のさらなる後退と共にドル買いが進み円安が一段と進む可能性があるだろう。ただ、日米の中銀イベントも通過し、掉尾の一振に対する期待感は底流にある。円安以外に目立った買い材料も見当たらないだけに、円安傾向が続くのかどうかが目先的には注目されることになるだろう。

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