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利食い優勢ながらも総じて底堅い相場展開で締めくくる【クロージング】


30日の日経平均は反落。123.98円安の27444.17円(出来高概算8億7819万株)で大納会の取引を終えた。米国では追加経済対策の一環である国民への現金給付額増額期待が後退したことによる下落の流れのほか、昨日の大幅上昇に対する利益確定の流れが優勢となった。ただし、大納会で市場参加者は限られており前場半ばに27338.56円まで下げた後は、下げ渋る形となった。後場は日銀のETF買い入れへの思惑等あって下げ幅を縮めており、一時27572.57円とプラスに転じる場面もみられている。大引けにかけてはポジション調整の売りに押されたが、総じて底堅い相場展開だった。

東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1500を超えており、全体の7割近くを占めている。セクターでは、空運、海運、石油石炭、証券が小じっかりな半面、パルプ紙、鉄鋼、繊維、ゴム製品、非鉄金属、医薬品が冴えない。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>が1社で日経平均を約60円下支えする一方で、ファナック<6954>、エムスリー<2413>、信越化<4063>、ダイキン<6367>、東エレク<8035>が重石となっている。

東証1部の出来高は8億株台にとどまっており、市場参加者は限られていた。それを考慮しても基本的には底堅さが意識されていたであろう。グローベックスの米株先物は小動きに推移しており、追加経済対策の一環である国民への現金給付額増額が上院で否決されたとしても、市場反応は限られやすいと考えられ、反対に年内ギリギリでの可決となればポジティブサプライズとなるため、年明け以降の相場へ刺激材料となりそうだ。

また、マザーズ指数は小幅ながらも続伸となり、チャート上では25日線を捉えてきている。12月以降の上値抵抗ラインであるため、これを突破してくるようであれば、足元で利食いに押されていたテーマ株などへの見直しがより強まることが期待される。また、年明け以降は新型コロナ感染拡大による影響を警戒しつつ、政府主導による脱炭素などの政策期待が物色意欲を強めることになりそうである。

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