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ギャップ・ダウン後は21500-21600円処での狭いレンジ取引【クロージング】


8日の日経平均は大幅続落。321.13円安の21602.59円(出来高概算14億9000万株)で取引を終えた。ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が、中国からの輸入品2000億ドルに対する関税引き上げを10日に実施すると明らかにし、米中通商協議への先行き懸念が一層強まり、7日の米国市場ではNYダウが473ドル安となった。前日の段階で警戒していた日本株市場ではあったが、想定以上の米国株安が嫌気される格好となった。シカゴ先物にサヤ寄せする格好からギャップ・ダウンで始まると、その後も下げ幅を広げる展開から、後場半ばには一時21514.85円まで下げ幅を拡大。大引けにかけては買い戻す動きもみられたが、結局は320円を超える下落となった。

東証1部の騰落銘柄では、値下がり数が1800を超えており、全体の8割を超えている。セクターでは東証33業種全てが下げており、精密機器、空運、化学、非鉄金属、ガラス土石、金属製品、食料品、機械の弱さが目立つ。一方で、情報通信、サービス、その他金融、小売が小幅な下げとなっている。指数インパクトの大きいところでは、ファナック<6954>、東エレク<8035>、ダイキン<6367>、花王<4452>、資生堂<4911>、ヤマハ発<7272>が軟調。半面、ファーストリテ<9983>が下支えとなった。

日経平均は一時400円を超える下落局面もあったが、ギャップ・ダウン後は21500-21600円処での狭いレンジ取引が続いており、小康状態といったところである。ライトハイザー代表の発言を警戒し、関税引き上げを10日から実施すると伝えられる中、この結果を見極めたいところであろう。

また、VIX指数先物のショートポジションの積み上がりを警戒する声が再び高まってきている。VIX指数に対するショートポジションということは、これが逆流することになるとVIX指数の上昇につながり、再びVIXショックが不安視されていることである。売り一巡後のこう着をみると積極的に仕掛けてくる動きは限られているようだが、米中関係の悪化が警戒される中でもあり、積極的な売買は手控えられよう。

また、トヨタ<7203>が決算発表後に、自社株買い発表が好感されて一時上昇に転じる局面がみられたものの、結局は買いが続かない状況から下げている。主力企業の決算が支援材料にもなりづらい状況から、決算ピークが通過する再来週までは参加しづらいだろう。個人主体の短期資金による中小型株において、決算を手掛かりとした短期的な値幅取り狙いが中心になりそうだ。



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