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NYの視点:トランプ政権チームの進退、ブラックスワンイベントに


南部バージニア州で12日、白人至上主義や極右思想を掲げるグループの予定されていたデモに、抗議する市民グループが激しく衝突した事件を機にトランプ大統領の信任が一段と低下した。トランプ大統領は白人至上主義団体のKKK=クー・クラックス・クランなどを名指しして批判したものの、「双方に責任がある」との見解を示したことが大きな波紋を呼んだ。共和党内でも大統領の発言を非難する声が強い。

大統領に助言する製造業の最高経営責任者(CEO)から成る評議会のメンバーの辞任があとを絶たず、ついに解散を決めた。政権内部でも大統領の概念に疑問を感じ始めているメンバーも少なくなく、主な要人の辞任の可能性が警戒されている。国家経済会議(NEC)のコーン委員長が辞任するとの噂も浮上。のちに否定されるが、同委員長はトランプ政権の中核となる存在で、税制改革、インフラを実行する上で重要な任務を担う。このため、委員長の辞任は、トランプ政権の経済政策実施に対する懐疑的見方を一層強めることになる。

同委員長はユダヤ人であるほか、もともと民主党支持派であったことから、憶測が強まったと考えられる。やはりユダヤ人であるムニューシン財務長官もネオナチに対するトランプ大統領の意見に賛同しないと表明。財務長官もコーン委員長とともに税制改革の制定に向けた取り組みで、指揮をとっている。

そのほか、政策に関して大統領と意見の相違がたびたび報じられているティラーソン国務長官に加えて、ジョン・ケリー大統領首席補佐官、マクマスター米国家安全保障担当大統領補佐官、マティス米国防長官などの辞任は、北朝鮮との緊張が高まる中、国防に大きな影響を与えると警戒されている。

トランプ大統領の娘婿で上級顧問のクシュナー氏はユダヤ人。大統領補佐官を務める娘のイヴァンカ・トランプ氏も夫との結婚に先立ち、異宗婚を避けるためにために現代正統派ユダヤ教に改宗しており、ユダヤ教徒だ。トランプ大統領の発言が誤解されて捉えている可能性も否定できない。

しかし、市場がトランプ政権による経済政策を織り込んでいなかったとはいえ、万が一、コーン委員長が辞任した場合、不透明であった税制改革の実施に不確実性が増す。トランプ政権にとり大きな打撃になるため、株式相場やドルが大きく下落する可能性が警戒されている。



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