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日米主要株価指数のチャート悪化が気がかり


[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;31666.36;-620.85TOPIX;2266.44;-20.15


[後場の投資戦略]

 日経平均は大幅に反落し、前日に回復したばかりの75日移動平均線を早々に下回っている。東証株価指数(TOPIX)も前日に回復したばかりの25日線や50日線を再び下回った。為替は再び円安・ドル高に振れているが株式市場の支援材料にはなっていない。

 前日の米株式市場で主要株価指数が揃って大幅に下落したことが投資家心理を悪化させていると思われる。特にナスダック総合指数の下落率は1.87%、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の下落率は3.35%と大きく、本日の東京株式市場でもハイテク・グロース(成長)株の下落につながっている。前日、好決算を材料に時間外取引で一時9%超も急伸していた米半導体大手エヌビディアは、24日の通常取引では買い先行も失速してほぼ横ばいで終えた。これが影響する形で、アドバンテスト<
6857>を筆頭に東京エレクトロン<8035>、レーザーテック<6920>などの半導体製造装置関連は軒並み急落し、前日の上昇分以上に下げている。

 米エヌビディアの動きについては、これまでの株価上昇で好決算は織り込み済みだったとの指摘も聞かれる。ただ、前日の失速は地合いによるところが大きいとも考えられる。日本時間で今晩午後11時5分頃からは、国際経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演が予定されている。既に相当に警戒感は高まっているが、相場の一段の調整につながり得るものとして懸念がくすぶっている。

 こうしたなか、イベント前にいったん持ち株を売却して利益を確保しておこうと考える投資家がいても不思議ではない。そうした動きが米エヌビディアだけでなく、前日の米株式市場の全体の下落につながったと考えられる。だとすれば、パウエル議長の講演を無難に通過できれば、改めて好決算に着目する形でエヌビディアには買いが向かう可能性は十分にあろう。

 一方、日米ともに主要株価指数のトレンド悪化が続いている点は気がかりだ。前日のダウ平均は上ヒゲを残す形で50日線の回復に失敗。S&P500種株価指数も同線が上値抵抗線として作用、ナスダック総合指数については25日線と50日線によるデッドクロスの示現が目前に迫っている。イベント通過後もエヌビディアを筆頭に米主要ハイテク株に買い戻しが入らなければ、相場全体の調整は一段と深まりそうだ。

 一方、本日は半導体を中心としたハイテク株が軒並み下落し、日経平均が大きく下落している一方、マザーズ指数は朝安後に切り返してプラスに転じている。また、東証プライム銘柄のなかでも、Sansan<4443>、ラクスル<4384>、Appier<4180>、SHIFT<3697>など内需系のITグロース株は底堅く推移している。今晩のパウエル議長の講演を確かめるまでは予断を許さないが、外部環境に左右されにくい内需系グロース株のリバウンド機運の高まりに期待したい。(仲村幸浩)
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